かのうちあやこの「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2017」レポート

先月7月19日~21日に東京ビッグサイトで行われた「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2017」の特別企画「i-Construction特集」を見てきた。副題に~建設現場の生産性革命を実現し、最先端の工場へ~とある。

特別企画や第1回大会といった催しは季節限定お菓子にも似て、力の入った、時流に乗ったものといった特別感が漂う。

「アイコンストラクション」という言葉はなんとなく覚えている程度だったが、2017年のテーマとしても挙げられていた、国土交通省が推進している建設現場にICT(情報通信技術)を導入しようというものである。2025年度までに建設現場での生産性を2割向上させる目標だ。日本は生産人口が毎年1%減ると言われ、建設業界は特に担い手が不足することが予想されている。建設技能労働者は高齢化も進んでおり今後10年ほどで3割弱が離職する可能性があるそうだ。さらに安全性の向上も期待されている。そんな国策「アイコンストラクション」の特別展示である。

展示ブースで目だったのはコマツの大きなブース。黄色い建機の実物がでーんと構えていた。コマツでは建設現場全体のシステムを作っているそうだ。コマツの建機と言えば、GPSを搭載していてどこでどの程度稼働しているかがわかる「コムトラックス」で有名。IOTの先行事例だ。しかし、建設現場では、コマツの建機だけが動いているわけではない。建機が掘った土を運んでくれるダンプが来ないために仕事が止まってしまうということも起きる。正確な土の量や、ダンプの積載量、動線などがわかることで施工計画が正確にたてられるという。これまでは、「このくらいの土の量ならだいたいダンプ6台だな」などと現場監督さんの「勘」で決められていたのだそうだ!このシステムはオープンで、ドローンの測量から施工後の検査まで一貫してカバーする。

トプコンのブースでは、ドローンを自動追尾することで空中写真測量の大幅な省力化を実現するシステムなどを展示。測る精度を上げるために、準天頂衛星「みちびき」が打ち上げられたことが重要だったと言う。2018年には4機体制になりさらに正確な位置情報が得られるそうだ。

準天頂衛星関連では他会場に出展していたコアも対応受信機を出している。

そのほか、三井住友建設が橋梁3次元モデル作成システムなどを紹介。岡谷鋼機はアイコンストラクションに対応した測量システムや、アイサンテクノロジーなどと共同開発した簡易的に3次元地図情報の取得が可能なドローンを出展した。3次元地図情報といえば、自動運転にも必要不可欠だ。

この夏も大雨による被害が大きかった。気候の変動が大きくなり、災害も激甚化しているのかもしれない。防災のためにも老朽インフラの更新や新たな整備は欠かせない。建設のICT化は大切だ。株式市場でも折に触れテーマとなりそうである。

(フリーアナウンサー/証券アナリスト かのうち あやこ)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。