かのうちあやこの「日経メッセ 街づくり・店づくり総合展」レポート

東京ビッグサイトで 3月9日から開かれた  「日経メッセ 街づくり・店づくり総合展」に行ってきた。「日経メッセ Online」も 101 社・団体の規模で同時に開催されたが、感染対策がどのように行われているかも観察したくて、久しぶりにリアルの展示会に足を運んだ。

街づくりメッセは「街づくり・店づくりの DX 最前線」をテーマに、デジタル技術を活用した店舗オペレーション、最先端の商環境を形作るキャッシュレス決済、快適な住宅・オフィスを彩るディスプレーや照明器具、健康に配慮した資材・部材など課題に向き合ったアイデアやソリューションを一堂に紹介している。

一昨年取材したときには実際の街を模した体験ゾーンが呼び物だったが、今年はその特別展示は無かった。入場者も少なめ。私が主に回った「リテールテック展」の入場者は一昨年の4分の1ほどだった。そのため自然と距離はとれたが、床にはソーシャルディスタンスを~といった足跡マークなどがあちこちについていた。ブースごとに検温、手指消毒するようになっていて感染対策には気を使っていることが感じられた。オンライン入場者がそこそこいたようなので、これで商談がきちんと進んでいるならば、展示会の新しい形としてハイブリッド型が定着していくのかなと思う。

さて、今回の展示で気になったのはやはりコロナ対応関連のものたちで、ひとつめは空中ディスプレイ。アスカネットが開発した「ASKA3Dプレート」を使うと、空間に映像や物体を表示することができる。展示会ではおなじみで何年か前にも株式市場では話題になっている。空中に像を結ぶので一見ホログラムのように見えるが、元の画像は何でもよい。これをパートナー企業と組んで、非接触(タッチレス)機器に活用。センサーや触覚を加え、空中タッチパネル(タッチしないのだが)として利用することができる。実際にやってみると、銀行のATMのようなもので、空中の何もないところで「3」という映像を通り抜けるように指を動かすと、「3」が押されたことになった。従来のタッチパネルと異なり、ウイルス・指紋・手油などが端末に付着することなく衛生的に利用が可能だという。

また、NECグループのブースではスマートリテールCXをうたい、POSシステムなどの業務端末や流通業向けサービスなどを紹介していた。非接触のレジは、顧客が店舗ごとのQRコードをスマホで読み、自分で購入する商品の商品のバーコードを読み、決済まで行うというもの。これはスーパーマーケットなどですぐにも実用化できるのではないだろうか。これまで、商品にICタグをつけて一括で精算できるというのが早くできないかなあと思っていたのだが、ICチップの値段がネックになり、ユニクロなど一部で実験されているがなかなか進まなかった。しかし、スーパーで買い物しながら自分で読み取れるならレジに並ぶ必要はなさそう。棚卸まで応用できるかどうかはわからないが、使い道はありそうだ。

他にも目線のみで端末の操作を行う「顔・虹彩マルチモーダル認証決済システム」というのも展示された。NEC独自の技術で今回初公開だそうだ。これも目線で操作するため非接触。顔認証と虹彩認証などを組み合わせることで、誤認証率100億分の1になるという。

そして、コロナ収束後、人手不足が再び問題になることを予想して店舗オペレーションを無人化するロボットを初公開したのが野村総合研究所だ。夜間のコンビニを店舗ごと大きな自動販売機にしてしまおうというものだ。人口動態で見れば労働人口は確実に減少する。確かに経済が正常化したら、また人手不足になるのかもしれない。

この展示会のテーマである「街」も「店」も、世の中のデジタル化と共に大きな変化の中にあり、それがコロナ禍で加速されてしまった。変わるもの、変わらないもの、変わらないでいてほしいもの、考えながら走る時間が続いている。


(フリーアナウンサー/証券アナリスト かのうちあやこ)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。