かのうちあやこの「東京おもちゃショー2017」レポート

 今年も6月1日から4日までの4日間東京ビッグサイトで開催された「東京おもちゃショー2017」に行ってきた。会場が変わっていたこと(昨年まではビッグサイト西1~4ホールだったものが東1~3とスペース縮小)、先に新聞やテレビの報道で「最先端!!」と見て私自身が期待先行になってしまっていたことで、例年に比べておとなしい印象を受けた。

 ありそうでなかったのがVR関連。メガハウスのVR機で打てる「かめはめ波」はなかなか気分爽快だったが、大手では目立った展示は無かった。PSVRの廉価版のようなものがおもちゃで出てきそうなものだが、作るのが難しいのか、意外とウケていないのか、気になるところだ。

 記事では「スマートフォンを使ったものが目立つ」とあったが、私の記憶ではこれは2012年ごろからの流れ。デジタルペットだったり、アプリと連動させた乗り物系だったりが出てきていた。今年はボードゲームと連動させたものなどが出展されている。

 また、少子化の中でおとなまで対象を広げようとしているとも言われているが、これもこのところずっと継続していることだ。2012年にはバンダイの「DX超合金魂マジンガーZ」など、「かつて少年だった大人たちに」向けたものがあった。おとな向けおもちゃで心に残っているのは、バンダイの「LITTLE JAMMER」という5人組のジャズミュージシャンの人形。音響機器メーカーのケンウッドと共同開発したもので、本格的なジャズが楽しめた。これは2006年だった。値段も高いが性能も良いおとなが楽しめるおもちゃは、団塊の世代など向けに、少し景気の上向いたところで出ていたのだろう。今年似たものとしてはジブリものの展示が印象的。『天空の城ラピュタ』のロボット兵はバンダイブースで異彩を放っていた。格納ポーズ、飛行ポーズもとれる、57か所可動の精巧なもので、第2次受注受付中とあった。タカラトミーでは同じ『天空の城ラピュタ』からシータの人形。展示用につくられた細かい飛行機内台所のセットも売ってほしいところだ。

 全体としては、おとな向けというより、おとなも一緒に楽しめる玩具が多い気がした。例えばタカラトミーの「ベイブレード」も既に第3世代で1999年から販売されているそうだ。ということは、今の親世代も遊んでいたのだろう。

 最近米国のおとなの間で流行している「フィンガースピナー」(写真)はメガハウスブースなどで紹介されていた。動画投稿がヒットのきっかけになったと言うのが今風だが、ただ回すだけなのだがハマってしまうという。ペン回しのようにクセになるのだろうか。ヨーヨーのように技を考案する人もいるらしい。この滑らかに回り続ける技術は日本メーカーのボールベアリングだ。

 変わったところでは、ソニーがブースを設けており、トイ・プラットフォーム『toio(トイオ)』を紹介していた。自分で遊びを創り出すためのプラットフォームだそうで、ソニーらしいセンサーや高性能モーターが搭載された立方体を動かすことが基本のようだ。今後はバンダイ、レゴなどと遊びを追加していくようだ。かなりの意欲作。

 今年気になったのは「妖怪ウォッチ」の後継とも目される「スナックワールド」の関連グッズだ。タカラトミーがブースの入り口で主力商品として紹介していたが、レベルファイブのクロスメディアプロジェクトであり、株式市場でも期待が高まっているようだ。既にアニメがテレビ東京系で放映中、7月13日にはニンテンドー3DSでゲーム「スナックワールド トレジャラーズ」が発売される。アニメの登場人物と同じキーホルダーで「ジャラ」と呼ぶゲームに連動するグッズをジャラジャラつけたくなる気持ちがわかるようだ。

 他にタカラトミーブースでは、「ウーニーズ」という風船おもちゃが単純ながらおもしろかった。スマホの写真をプリントする「プリントス」は良く工夫されたおもちゃ。レンズは良いもの(チェキと同じもの)を使うが、印画紙を送るつまみは手回しにするなど低価格に抑え、かつ電源なしの便利さを兼ね備えた。

 悪い癖だが、放送しようとか記事を書こうと思うと今年の傾向やニュースになりそうな話題を探してしまうものだが、今年のおもちゃショーは「実にオーソドックスなおもちゃ」が主役だった気がする。もちろんおもちゃも世の中の流れに沿うもので新しいものが次々出てくるが、単純におもしろいのがおもちゃの本当に求めるところ。今年はその意味では王道を行ったのかもしれない。

(フリーアナウンサー/証券アナリスト かのうち あやこ)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。