かのうちあやこの「CEATEC 2019」レポート

幕張メッセ(千葉市)で10月15日から開催された「CEATEC 2019」に行ってきた。昨年に続き「つながる社会、共創する未来」をテーマに開かれたかつての「家電見本市」は、20周年の今年、目玉企画に未来のまち、「Society5.0 TOWN」を据えた。

街らしく大手建設会社が出展していたのが目を引いた。なかでも大成建設は、「デジタル西新宿」で街の状態を見える化した。グレー単色のジオラマにiPadをかざすと、そこにCGで風の流れや熱のたまり方があらわされる。現在の西新宿の道路の一部はなんと70℃の高温だ。近い未来では、例えばこの風の流れを見て喫煙所の場所を検討することなどができる。また、「未来」の図では建物に木材を使い、緑を増やし、高温になるのを抑えることが提案されている。こうして目で見ることで、土地や建物の所有者・建築者に提案しやすくなるという。ここに人の流れや、建物内部のエレベーターの動きなども加えていく計画だそうだ。

清水建設では、日本アイ・ビー・エム株式会社との共同開発による高精度音声ナビゲーションシステムの体験エリアを展開。スマホのアプリで、視覚障がい者向け、車イス利用者向けに屋内を案内する。GPSが使えない屋内のためビーコンを使用。手にもって歩くと、スマホがブルブル震えたり、「あと5メートルで右に曲がります」などと教えてくれる。段差のあることや、車椅子ならエスカレーターではなくエレベーターを案内するなどもできるそうだ。

ANAホールディングスでは”アバター”のプラットフォーム「avatar-in」を発表。独自開発の「newme」はディスプレイのついた簡単なロボットのようなものだが、数年前に見たものよりずいぶんと進化した。遠隔地にいるこのロボットを通して、自分があたかもそこに居るかのように体験するためのもの。他にも会場で大分県の釣り堀で魚を釣る体験もあった。釣っている感覚が実際に自分の手に伝わるそうだ。ドアが開いたような「avatar-in」のロゴマークはドラえもんの「どこでもドア」からイメージしたものだという。実際のヒトの移動を担う航空会社がなぜこれを、と皆に聞かれるそうだが、説明員の方が「人が移動しない未来というのも遠い未来に想定しているんです」とおっしゃったことが非常に印象的だった。

そのほか、CEATEC老舗の電子部品各社では、5G向け、自動運転向けの展示が目立った。村田製作所では、センシング、そしてそれを伝えるモジュール、支えるバッテリーという構成の展示。バッテリーでは小電力機器向け全固体電池の注目度が高い。高容量を可能にし、表面実装も可能。経済産業大臣賞を受賞している。京セラではAI認識カメラなどを展示。技術がわかりやすいように、センサーが反応して音楽を演奏するなどエンターテイメント性を織り込んだ体験型のデモを体験した。自動車のより安全な運転のための「3D ARヘッドアップディスプレイ」なども興味をひいていた。

アジア最大級の最先端IT・エレクトロニクス総合展。イベント規模は昨年よりも拡大し、787社/団体が参加していて、とてもすべては見られないが、未来の一端を垣間見られたような気がする。

(フリーアナウンサー/証券アナリスト かのうちあやこ)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。