かのうちあやこの「GTMF2019東京」レポート

7月12日(金)秋葉原で開催されたアプリ・ゲームの開発・運営に関わるソリューションが一堂に会するイベント「GTMF2019東京」に行ってきた。

セッションにはこんな題名がならぶ。「Google Maps Platformを活用したReal World Game 政策最新事例紹介」「アマゾンのゲーム関連ソリューションを活用してゲームの開発力・商品力の底上げを!」「Linuxも動くMicrosoft Azure・・・」

ゲーム開発も、グーグル、アマゾン、マイクロソフトなのか!と改めて思う。

そして最近話題のクラウドゲーム関連ではシリコンスタジオ(3907)が「ミドルウェアのGoogle『Stadia』対応について」というセッションを行う。

このセッションは時間と私の技術的な知識の無さであきらめ、ブースでお話を伺った。

シリコンスタジオでは、「YEBIS」と「enlighten」というふたつのツールを紹介。「enlighten」は実際の光の反射を計算して影をクリックひとつでつけられるそうだ。サッカーゲーム「ウイイレ」で、走る選手の影やスタジアムの強い光のコントラストもこうしたミドルウェアに支えられている。「YEBIS」は無機的なCG映像を空気感を持ったグラフィックに変える。カメラのレンズを通したような画像にすることで、映画の中に入り込んでゲームをしているような気にさせる。「龍が如く」の大阪の街角は「YEBIS」効果であんなにリアルなのだ。

これらは様々なプラットフォームに対応している。「プレステ」でも「スイッチ」でも、基本は変わらないそうだ。そして、クラウドゲームであっても同じだという。もちろん調整は必要だが。「プレステ」や「Xbox」の次世代機が出るという噂もある。もし、ゲーム機の性能がさらに上がるなら、より美しい映像が出せるようになるわけで、ゲームを作る側はより精細なものをつくらねばならず、ミドルウェアに求められる品質も高くなるという。

CRIミドルウェア(3698)のブースでは、いくつか参考出展があった。ひとつは音声入力からリアルタイムにキャラクターの口の動きを生成するというもの。音声に合わせて唇の動きをつけるのもかなり大変な作業だそうで、これをAI・機械学習で音声解析を行い、自動で作れるようにしたという。音声解析は同社の得意分野だ。

また、ゲーム開発エンジンと組み合わせて、必要な音を簡単に作れる、直感的に調整できる機能も紹介されていた。ゲームの世界の中で、どこでどんな音がするのか、より現実に近い臨場感のあるものを作れるようにする。例えば、洞窟に入ったら、音はちょっとくぐもって聞こえるようにしたい。プログラムをたくさん書けばこれまでもできたが、それを簡単にできるようにするそうだ。キャラクターの台詞もあると、音声ファイルも何万という数になり、手作業ではミスがおきやすいそうだ。それを無くすための地味な機能だが、現場で求められているという。

アクセル(6730)では、今回は比較的軽いムービーミドルウェア「H2MD」を展示。ブラウザーでも使える、マシンの力をそれほど使わないものだそう。特長は、アルファチャンネル(透過レイヤ=動画の重ね合わせ)が使えること。もとあったテキストや検索ボックスの上にも動画が再生可能だ。同社は遊技機器市場で培った技術を活かして低負荷・低遅延のサウンドミドルウェアなども提供しているという。

会場で何人かお話を聞かせていただいたのだが、共通していたのはクラウドゲームになっても、ゲームの根っこは変わらないというご意見だ。変わるのは通信のところ、ゲームの流し方だ。開発面では特に初期は変わらないだろうという見方があった。普及するにしたがって変化する面があるかもしれないそうだ。

これまで容量が限られていてスマホ向けなら出来るだけ小さく作ろうとしたが、例えば「Stadia」ならGoogleがどんな大容量でも許すというなら違う作り方になってくるかもしれない。大きくないとできないことに挑戦していくかもしれないそうだ。

「Stadia」は、なにしろ日本でのサービスインがいつになるのか発表されていない。各社ともやや様子見ではありそうだ。


(フリーアナウンサー/証券アナリスト かのうちあやこ)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。