かのうちあやこの「Japan IT Week春 2017」レポート

2016年あたりから、株式市場でも「インダストリー4.0」「AI(人工知能)」「IoT」という言葉がテーマとして聞かれるようになっている。しかし、漠然と新しそうな、スゴそうな感じはするけれども中身は良くわからない。AI関連銘柄と言われているところをその業界関係者が「あれでAIですかねえ」なんて言ってたりする。AIって結局何なの??

そんなレベルの私が5月10日から東京ビッグサイトで開かれた「Japan IT Week春 2017」に行ってきた。日本最大のIT専門商談展である。全部で13の専門展がある中から、AIに欠かせない「ビッグデータ活用展」を見学、IoT/M2M展の特別講演を聞いた。

ビッグデータの活用はかなり幅広い企業で進んでいる。例えば野村総合研究所(NRI)のブースでは、旭化成ホームズが導入したFAQ運用の事例を説明していた。(FAQとは「よくある質問」のこと)。これまでコールセンターに来る様々なお問い合わせに答えるには、オペレータが配布されたCDで確認・PCで検索・資料で確認など、自分で様々な情報を検索しなければならなかったし、更新がされない場合もあったという。これを一元管理し、FAQ以外にも設計図面、取扱説明書などを一括検索可能にするという。AIが追加・修正すべきFAQを抽出する、関連するFAQを自動表示するといったことができるそうだ。これによって旭化成ホームズはアフターサービスランキング1位となるなど、成果があがっている。

これは日本語の処理を長年研究してきた成果の上に、機械学習、深層学習といったAIの技術で精度を高める仕組みだろう。たしかに、仕事の効率化、サービスの向上につながりそうだ。

ほかに展示ブースで目だったのは株式会社GRIDで、「GRIDが人工知能で創造する未来の可能性」と題した展示を行っていた。機械学習・深層学習のフレームワーク「ReNom」を使用した都市インフラやインダストリー等における人工知能の活用例を見ることができる。説明員の方によると、一般に人間の代わりといったイメージで語られることが多いAI(人工知能)だが、そうではなく、高度な計算なのだと思ってほしいそうだ。それを利用するのは人間で、人間の暮らしをよりよくするために使われるべきものだという。AIはいろんな分野に応用が可能だが、GRIDではなかでも社会の問題に近いところを手掛けようとしているそうだ。例えばプラントなどは、10年もすると人が完全に不足する、労務倒産の懸念さえ業界ではささやかれているそうだ。プラントの整備などでベテランが担ってきた仕事を、うまくデータ化してそれを何らかの処理をして自動化まで持っていく。最終的に工場などを最適に動かしたい、コストを削減したいという目的を達成するためにAIはあるので、これからはその応用のところが問われてくるとのことだった。

ソフトウェアの話が多いので、展示会とはいえひと目でわかるようなものは少なかったが、紹介されている企業の導入事例などは数多く、すでにお仕事としては普通に入り込んでいるのだとわかった。

特別講演で聞いたお話しでは、シンプルであること、共通化して誰でもできるようにすることが大事だという点が印象的だった。「おもてなし」を個人の力に頼ってはだめだそうだ。そのあたりは「和島英樹のウィークエンドストック!」でもご紹介したのでよろしければお聞きいただきたい。

(フリーアナウンサー/証券アナリスト かのうち あやこ)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。