かのうちあやこのマーケットレビュー(2020年12月)

例年11月の下旬には各社の為替新年予想を関係者に教えてもらう。来年のドル円ターゲットは何円、注目通貨は何といったようなものだ。それが今年はまだあまり出ていないという(これを書いている12月14日現在で)。米大統領の選挙人投票が終わるのを一応待っているか、英EU交渉を見守っているか、まだ結論が出ていない大きな要因があるためらしい。そして経済が新型コロナウイルスの感染状況しだい、ワクチンの実用化しだいといった不確実性が高いということもあるのかもしれない。

予想が出ているなかで、ドル円は100~105円との見立てがあった。またまたあまり動かないということか。

14日に発表されたQUICK月次調査では、向こう6カ月の間でドルDI(上昇―下落)はマイナス19と、19年6月以来の低水準だそうだ。しかし、2021年中では「最も強くなる通貨」に選んだ回答者が28%で最も多い。(次点は人民元で24%)。ということは、前半安で年後半に上昇というみたてか。とはいえ、最も弱くなる通貨にドルを選んだ回答者も29%で、英ポンドの31%に次いで多い。ドルの見通しは二極化しているようだ。市場関係者の予想がどちらかに偏った時には逆に行くことが多い印象があるが、二極化している場合はどうなのだろうか、意外と綱引きで動けないのか。

なお外為担当者などの回答者の日経平均の予想平均は、年間高値が28,861円、年間安値が23,470円だった。

21年に注目されるテーマは「米次期政権の政策運営」、「新型コロナ」が多い。「びっくり予想」として、菅首相の早期退陣、バイデン次期政権の途中交代をあげる声があり、政治への注目度の高さがうかがえる。東京五輪の中止もあげられていたが、もしかするとそういう予想が出るということはもう「びっくり」ではないのかもしれない。

ドイツ銀行のファンドマネージャ―聞き取り調査によれば、2021年のブラックスワンは「新型コロナウイルスの変異」「ワクチンの副作用」「人々がワクチンを拒否」などで、コロナにまつわることが上位。当局や政府が金融支援策や財政支援策を早期に縮小することも挙げられている。これらは、皆どこかで恐れていることのような気がする。

2020年はあらかじめわかっていたリスク要因、注目スケジュールの最大のモノは11月の米大統領選挙だったが、21年はそうした目玉はなさそうだ。バイデン政権が発足し、英国がEUを離脱(どんな形で、になるのかまだわかっていないが)する。どう進んでいくのか、を見守る年だろうか。日本では7月の東京五輪、東京都議会選挙、9月の自民党総裁選、衆院選挙がいつになるのかは注目されそうだ。

いずれにしろ、少しでも明るい年になりますように。


(フリーアナウンサー/証券アナリスト かのうちあやこ)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。