この夏は1等星のベガだけじゃない!こっちのベガも知って優等生になろう!

第3回も読んでいただき有難うございます!

それでは、第2回の最後に出題した問題の解説から始めたいと思います。

トヨタ自動車1株の時価:7,000円
トヨタ自動車のプットオプションの価格:150円
【満期:1カ月,権利行使価格:7,000円,デルタ:50%,ガンマ:0.00057】
※プットオプション1単位あたり、原資産1株に相当するものとします。

Q:Aさんはトヨタ自動車を100株保有しています。一方、Bさんはトヨタ自動車のコールオプションを200単位保有しています。今、株価が500円上昇した時に、両者の利益はどちらがどれだけ多くなるでしょうか?

A:まずは、Aさんの利益を計算してみましょう。
Aさんの利益=500円×100株=50,000万円
これは簡単ですよね。

では、Bさんの利益はどうでしょうか?

話を分かりやすくするために、まずはデルタが一定の世界を考えてみましょう。
Bさんの利益=500円×50%×200単位=50,000円

これは第1回の時と同じなので、計算できたと思います。つまりデルタが一定ならば、AさんもBさんも同じ利益になります。

でもガンマを知ってしまった今、きちんと計算してみましょう。

まずは、原資産が500円値上がりしたことによって、デルタがどれだけ変化するかを考えましょう。

Δデルタ=∆原資産の価格×ガンマ
※Δは変動幅を表します。

この式でしたよね?これを使えば、

Δ デルタ=500円×0.00057=0.285

とデルタの変化が簡単に計算できてしまいます。

つまり、当初デルタは0.5だったのに、原資産が500円動いたことにより、0.785まで上昇することになるんです。

次に知りたいのは、500円動く過程でのデルタの平均値ですよね。
では、計算してみましょう。

デルタの平均値 =(0.5+0.785 )/ 2 = 0.6425

はい、計算できましたね。後は簡単です。このデルタで500円動いたと考えれば良いのですから、

Bさんの利益=500円×64.25%×500円×200単位=64,250円

となります。従って、結論14,250円だけBさんの方が儲かるのです。

ガンマ効果ですね!逆に500円下がった場合も、自分で計算してみてください。ガンマについての理解がより深まると思いますよ!

ベガって?

今回、ぜひ知っておいてもらいたいギリシャ文字は、“ベガ”です。
今回も、日経平均株価のオプションを事例に解説していきますね。
まずは数式を書いちゃいます。

今までにはなかった、ボラティリティというカタカナが出てきましたね。
日本語で言うならば、ボラティリティが1だけ変動した時に、オプション価格がどれだけ変化するか?
これがベガなんです。

ボラティリティ?
「ボラティリティが高い相場」とか良く耳にするけど、ボラが1動いた時の・・・1ってなんだよ。
ボラティリティって数字ってこと?

はい、ごもっともな反応です。
実は、ボラティリティというのは数字できちんと表現できます。

一般的には、「日経平均株価が、前日比○%の上昇」のように1日の変化率で表現しますよね。
でも、オプションの世界では年率ベースの変化率で表現するのが一般的なんです。

従って、「日経平均株価のボラティリティが20%の日経平均株価」であとなれば、日経平均株価は1年間で±20%程度の変動が予想されている原資産だと思っていただければ結構です。

ここまでくれば、「ボラティリティが30%で、ベガが10円のオプション」と言えば、どういう意味か分かりますよね?

ボラティリティが1%上昇して31%になったら、10円だけオプション価格が上昇するオプションだということです。逆に1%下落して29%になった場合は、当然10円だけオプション価格が下落します。

簡単ですよね!
これで原資産価格の変動以外に、オプション価格へ影響を与えるボラティリティ要因についてもバッチリですね!

では、最後に理解度チェックも兼ねて、問題を。

トヨタ自動車1株の時価:7,000円
トヨタ自動車のコールオプション,プットオプションの価格:150円
【満期:1カ月,権利行使価格:7,000円,デルタ:50%,ガンマ:0.00057,ベガ:15円】
※オプション1単位あたり、原資産1株に相当するものとします。

Q:トヨタ自動車の株価が、7000円から6900円に下落し、オプション価格を計算する際のボラティリティが1%上昇した場合、上記のコールオプション、プットオプションはそれぞれいくらになるでしょうか?

答えは、第3回の「セータとは?」の冒頭で解説しますね!

(eワラント証券 トレーディング部 ヴァイスプレジデント 吉野 真太郎)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。