この後想定される“国内感染者数頭打ち”は主力銘柄に好インパクト

ワクチン接種進行が消費関連株に追い風に

2020年のコロナ禍以降、政府は3度目の「緊急事態宣言」を発出した(2021年4月25日から5月11日、東京都、京都府、大阪府、兵庫県4/26現在)。飲食店の営業短縮・酒類提供休止要請や大規模商業施設の休業要請が柱だ。

1度目は2020年4月7日から5月25日まで(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県。4月16日より全国が対象、その後段階的に解除された)、2度目は2021年1月8日から3月21日まで(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県。その後栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県に)だった。過去2度の緊急事態宣言の期間中、コロナ新規感染者は減少傾向となった。もちろんそれを目的に取られた措置だが、これまでのところ措置が取られたにもかかわらず感染拡大が止まらなかった例はない。また日経平均株価は、過去2度の緊急事態宣言下において上昇していた。

 市民生活には不自由さが増し、感染防止に対して一層の注意が払われ、世の中の雰囲気も暗転するが、株価にそれほど悪影響を及ぼしたわけではないことがわかる。とくに期間後半になるとコロナ感染者数が頭打ちを示すことから、明確にデメリットを受ける消費関連株も概ね株価持ち直しの動きとなっていくのが過去の例だ。

オリエンタルランド(4661)


ラウンドワン(4680)


三越伊勢丹ホールディングス(3099)  


FOOD&LIFE COMPANIES(3563) *旧スシローグローバルホールディングス


良品計画(7453) 

 この動きは今回の3度目の宣言下においても同様のこととなるだろう。さらに今回はコロナワクチン接種が始まっており、このあとさらに接種スピードが加速するとみられることから、前回、前々回に表れた、緊急事態宣言解除後の感染再拡大が限定的となる可能性もある。そうなると個人消費の持ち直しが強まることが予想され、消費関連株の動きは次第に強さを増していくかもしれない。


決算後急落した主力株は持ち直す公算

もうひとつ東京株式市場は不安を抱えている。それは好決算発表後に株価下落に見舞われる主力株が続出していることだ。躓きは4月9日に2022年2月期の連結純利益を前期比67%増の見通しと発表したものの、翌営業日4月12日に一時8%も下落した「安川電機(6506)」に最初に表れた。アナリストによる事前予想を下まわる数字だったことが嫌気されたと説明された。

その後も、「日本電産(6594)」は慎重な今期見通しと創業者がCEOから退くことが嫌気され、「ディスコ(6146)」は2021年4-6月期の連結純利益が前年同期比34%増となったもののアナリストによる事前予想を下まわったことが嫌気され売り先行。「エムスリー(2413)」は2021年3月期純利益が前期比75%増、11年連続の最高益を記録したものの、2022年3月期の業績見通しをコロナ影響が不透明として示さなかったことから、決算発表翌営業日の4月26日に売りを浴びる格好となった。

このようなことが続くと日経平均やTOPIXの上値が重くなることは容易に想像がつく。好決算後の株安には違和感があるが、例として挙げた銘柄は「好決算間違いなし」と思われていた銘柄でもある。そうであれば一旦利益を確定しようとした投資家が売りを出し、その規模が思いのほか大きかったことから他投資家にも狼狽売りが波及したと考えることができる。とくに先頭をきった「安川電機(6506)」の下落が大きかったことから、他銘柄にその流れが波及したのではないだろうか。

実はこの動きにはさらに先例がある。それは廉価衣料品の「しまむら(8227)」の株価の動きだ。4月5日に2021年2月期連結純利益が前期比99%増と4期ぶりの最終増益となったものの、2022年2月期純利益微増の保守的な見通しが失望され、翌6日の取引では一時9%安まで売られた。同株はその後も全体相場弱含みと国内コロナ感染者拡大に足を引っ張られたものの、足元、底打ちの動きが見られている。他の急落銘柄も同じような動きを辿ると考えていいかもしれない。緊急事態宣言下で国内コロナ感染者が頭打ちを示すと、内需株にも外需株にも好反応が出ると思われる。


安川電機(6506・東証1部)


日本電産(6594・東証1部)


ディスコ(6146・東証1部)


エムスリー(2413・東証1部)


しまむら(8227・東証1部)


(株式ジャーナリスト 天海 源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。