もし株価への期待が“ご破算”になるのであれば

「中国株不振が米成長株にも伝播」

 米国株、そして中国株が下落すると日経平均はそれ以上に下落し、両市場が一時的に反発してもそれほど上昇しない様相が続いている。10月2日に付けた、平成バブル崩壊後のザラバ高値24,448.07円は、この段階では「幻」のような値となってしまった。欧州各国市場、さらには台湾、韓国、南米の新興国市場も同様に波乱となっており、世界株安の様相だ。

 実は上海総合指数は2015年6月に5,100ポイント超の高値を付けて以降下落し、それに迫る気配も見せていない。トランプ政権の厳しい対中姿勢が中国の景気を鈍化さえる主因と考えられているものの、同指数は2016年11月のトランプ大統領誕生前から下げている。一方、NY市場に上場する中国電子商取引大手「アリババ・グループ・ホールディング」、香港市場に上場する中国のインターネットサービス大手「テンセント・ホールディングス」の株価が目立って下げ始めたのは今年6月頃だ。米中貿易摩擦に端を発する中国景気のさらなる減速が嫌気されたものと見られているが・・・もしかすると中国本土市場の株価指数の後を追っているのかもしれない。

 そして今、その「伝播」は米株の成長株に波及している可能性がある。象徴的な銘柄の一つ「アマゾン・ドット・コム」の5年間の動きを見ると、足元ほど短期間に下落した局面はない。もちろん株価水準がかつてより高くなっているものの、米国成長株にも異変が出ていると言っていいだろう。この動きの根源は「投資家の間に不安が拡がっているから」と一言で説明がつく。中国景気、中国株、人民元、米国株、米金利・・・何を見ても不安が募るのが今だろう。その中にあって日本株だけだが無風でいられることはないと考えたほうがいいだろう。

「デフレ銘柄の望まれない復活があるかないか」

 日本株の下げは単に投機的な売りだけではない。明らかに「実需売り」が出ているとみている。この世の春を謳歌していた米アマゾン・ドット・コム株が急落する中では日本企業の先行きにも不安感が台頭する。この中でさらなる「不安材料」が飛び出した時がもっとも懸念される瞬間だ。ある一線を超えるとシステム売買による問答無用の売りが出てくることはこれまでも経験したことがある。さらなる急落は投資家の心理を「不安」→「諦め」に変化させる可能性がある。それはアベノミクス相場以降継続してきた、株価への期待を粉々にすることになるかもしれない。

 今が正念場だと言えるだろう。

 仮に「不安」→「諦め」に変化した場合は、少しの時を経て、かつての「デフレ銘柄」が再評価されることになるかもしれない。もし、これらの銘柄の株価が全体相場下落の中で(現行水準からみて)底堅く推移するのであれば、すでにその芽が出ていると判断することになる。

セリア(2782・JASDAQ)
ドンキホーテホールディングス(7532・東証1部)
しまむら(8227・東証1部)
サイゼリヤ(7581・東証1部)
神戸物産(3038・東証1部)

(株式ジャーナリスト 天海 源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。