グロース相場とバリュー相場の転換点が到来か?

 大量の個人情報流出問題でフェイスブックの株価が大きく下げています。今年1月から2月に180~190ドル台にあった株価は10日に反発したものの、直近では150~160ドル台となっています。フェイスブックだけでなく、米国株式相場をけん引してきたグロース(成長)株の下落が目立ち、相場の転換点を迎えたのかもしれません。

グロース株、バリュー株とは

 グロース(成長)株とは将来の成長性が期待される銘柄であり、売買を伴う人気銘柄となる傾向があり、EPSやPBRなどで見ると割高なケースが多いのが特徴です。株価の上昇に勢いがあることからモメンタム株などと呼ばれることもあります。バリュー(割安)株とはEPSやPBRなどで見た場合にグロース株と比べて相対的に割安とされる銘柄です。

 米国の株価指数にラッセル1000指数という株価指数があります。この株価指数にはグロース株で構成されるラッセル1000グロース指数、バリュー株で構成されるラッセル1000バリュー指数があります。2月末時点でラッセル1000グロース指数の上位構成銘柄は、アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、アルファベットなどがあり、対してラッセル1000バリュー指数の上位構成銘柄はJPモルガン・チェース、バークシャー・ハサウェイ、エクソン・モービル、バンク・オブ・アメリカ、ジョンソン&ジョンソンなどがあります。図2は1995年5月から2018年4月(2018年4月は10日まで)の各指数の推移です。

グロース相場とバリュー相場が転換するとき

 図2を見ても同じ方向に動いており、グロース株とバリュー株のどちらが優位だったのかが分かりにくいので、図2と同じ期間で、ラッセル1000グロース指数とラッセル1000バリュー指数それぞれについて、ラッセル1000指数を上回る超過収益率を計算し、1995年5月末を100として累積指数化したのが図3です。
 図3を見ると、長期的にはグロース株が優位な相場とバリュー株が優位な相場があることが分かります。2000年までのITバブルではグロース株が優位にありました。ITバブル崩壊から2007年サブプライム・ローンバブルまでは一転してバリュー株優位となり、その後は2008年のリーマンショックを経て現在までグロース株優位の状況となっていることが分かります。リーマンショック後、グロース株の保有を続けていれば市場平均を超えたリターンを得られたことになり、バリュー株の保有を続けていれば市場平均を下回るリターンにとどまっていたことになります。

 また、図3からはグロース株優位とバリュー株優位の転換が発生すると、その後相場全体が大きく下落していたことも分かります。フェイスブックの株価下落が個別の事案でとどまるのか、それとも相場をけん引してきたグロース株全体の下落、そして相場の大きな下落の兆候になるのか注意が必要かもしれません。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。