コロナショックで含み損を抱えた日銀!しかしそれが反転の兆し!?

先日の2020年3月10日。
参議院財政金融委員会に出席した黒田日銀総裁は、「日本銀行が保有している株価指ETFの取得単価は、19,500円程度の可能性」との発言をしました。

ちょっと待てよ?
ということは日銀が保有しているETFポジションは含み損ということ?

はい、その可能性が高いということになります。
日銀としては、含み損は避けたいでしょうから、20,000円の大台は如何なる手段を駆使しても死守してくると思っておりましたが、市場の下落パワーには勝てませんでした。

ではお先真っ暗なのか?

いえ、むしろ日銀が含み損を抱えたという可能性が、実は相場反転の兆しにもなり得るということを今日はご紹介したいと思います。


ETFの評価損益率

下図をご覧ください。


まず想定評価損益率とは何か?

日銀は、前場に様子を見て「相場が弱い。価格を支える必要がある」と判断した時に、後場から大引けにかけてETFを購入してくるのが一般的な慣習と考えられています。
従って「もし日銀が大引けで日経平均だけを買っていたら?※A」という想定の下で、平均取得単価を計算し、その評価損益率を計算したものになります。

如何でしょうか?

黒田総裁が就任して以来、2015年~2016年にも損益率がマイナス、つまり含み損を抱えたであろう時期がありましたが、日銀はその後もETFを買い続け、相場は反転しました。

足元の状況はどうでしょうか?
2020年3月13日前場引値時点で、約11%の評価損を抱えている計算になります。金額にして約3.2兆円のマイナスと想定されます。
過去、ここまで含み損を抱えたことは黒田総裁の就任以前を含めても、大変珍しいことです。

しかし!
それらの含み損を抱えたタイミングでの重要な共通点を忘れてはいけません。

それは日銀は量的緩和の名のもと、許された範囲内で自由にお金を刷ることができるわけですから、今後もETFを購入し続けることになる。そしてその結果、相場は反転する可能性が高いということです
グラフを再度ご覧ください。
実際、評価損益絵率がマイナス値になった後、数カ月で相場が反転しているのが分かるかと思います。
勿論他の要因も重なって反転したとも言えるかもしれませんが、日銀による断続的なETFの購入が相場を下支えしたということも当然言えるかと思います。

従って、株価は一時的に急落しているものの、数カ月単位で見れば、日銀の買い支えが効果を発揮し、相場反転の兆しが見えてくるかもしれません。


(eワラント証券 マーケティング部ヴァイスプレジデント 吉野 真太郎)

※A 実際には日経平均連動型ETFだけでなくTOPIX連動型ETFも買入の対象になっています。また購入するタイミングも大引けではなく、後場VWAPなどの方式を採用していると考えられます。