コロナショックでREITも安い!長期目線でJ-REITを買うべし!?

3月16日に緊急で行われた日銀会合において「株価指数ETFの買入枠を年間6兆円から12兆円に倍増させる」という決定がなされたのは記憶に新しいと思います。

しかし、金額こそ目立ちませんが、その裏で「不動産投資信託(J-REIT)の買入枠も年間900億円から1,800億円に倍増させる」という決定も併せてなされていた事に、あまり関心がなかった方も少なくないかもしれません。

そもそも日銀は、今まで1日あたりどれくらいのサイズでJ-REITを買っていたのか?
J-REIT市場へのインパクトは大きいのか?

検証してみました。


1日の買入金額はどれくらい?

下図をご覧ください。

2010年以来、1日あたりの買入金額の水準は、ほとんど変わっていないことがわかります。
むしろ、制度の導入当初の方が積極的に買いオペを行っていたことが分かります。
従って、先日の会合で年間の買入金額を倍増させたとしても、J-REIT市場へのインパクトは限定的かと思われます。


市場全体に対する保有割合はどれくらい?

下図をご覧ください。

時価ベースで約5%の保有割合になっていることが分かります。
1日あたりの金額としてはそれほどインパクトがないですが、累計の保有割合としては株価指数ETFの保有割合とほぼ同等水準であり、ビッグホルダーになっているとも言えるでしょう。


平均買入単価はどれくらい?(想定ベース)

日銀は、J-REITに関しても株価指数ETFの場合と同様に、前場の市場動向を判断したうえで、後場から大引けにかけて買いオペを行ってくることが一般的です。
従って、「もし大引け時点の価格で買いオペを実行していたら?」という想定に基づいて、平均の買入単価を計算してみた結果が下図になります。

想定される平均買入単価は、2020年5月7日現在で1,609ポイントになります。
つまり株価指数ETFの場合と同様に、現在は約2%程度の含み損になっていることが予想されます。


言えることは?

  1. 株価指数ETF同様、含み損は日銀の面子として許されないので、今後も買いオペを続けてくる可能性が高い。
  2. 保有割合から考えても、まだ買入余地は十分にあると考えられる。
  3. J-REITは、大手不動産会社の保有する物件の捌け口となっている面もある。従って、日銀が買い支えることによって、「安定した価格での新規増資」→「物件の取得」の流れを作ることができ、間接的に不動産市況を支えることになる。

以上から、J-REIT市場も株式市場と同様に、緩やかに回復していくことが予想されます。
株式ほどボラティリティが高くない商品ですから、長期目線で買っておくのも一案かもしれませんね。


(eワラント証券 マーケティング部ヴァイスプレジデント 吉野 真太郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。