ジブリのシータはかわいいけど、オプションのシータは買い手にとっては・・・

第4回も読んでいただき有難うございます!

それでは、第3回の最後に出題した問題の解説から始めたいと思います。

トヨタ自動車1株の時価:7,000円
トヨタ自動車のコールオプション,プットオプションの価格:150円
【満期:1カ月,権利行使価格:7,000円,デルタ:50%,ガンマ:0.00057,ベガ:15円】
※オプション1単位あたり、原資産1株に相当するものとします。

Q:トヨタ自動車の株価が、7,000円から6,900円に下落し、オプション価格を計算する際のボラティリティが1%上昇した場合、上記のコールオプション、プットオプションはそれぞれいくらになるでしょうか?

A:今までの学習してきた内容の総括のような問題ですね。

まずはデルタの部分からの影響を計算してみましょう。

(コール)
  デルタ要因=-100円×(+50%)=-50円

(プット)
  デルタ要因=-100円×(-50%)=+50円

はい、簡単に計算できましたね。

次にガンマ部分からの影響を計算してみましょう。

第2回でガンマについて解説した際の脚注を見てください。

ガンマ要因=ガンマ×原資産の変動幅2 / 2

でしたよね。

従って、

(コール、プット両方)
  ガンマ要因=0.00057×(-100円)2 / 2 =+2.85円

はい、計算できました。デルタとは違い、ガンマは原資産が上下どちらに動こうがコール、プットの両方ともプラスの影響が出ることを忘れないでくださいね!

最後に前回勉強したベガの影響ですね。

(コール、プット両方)
  ベガ要因= 15円×(+1%)=+15円 

これで全て計算できましたね。
あとは、コール、プットそれぞれを要因別に足し算すればいいわけですから、

(コール)
  価格=150円+(-50円)+(+2.85円)+(+15円)=117.85円

(プット)
  価格=150円+(+50円)+(+2.85円)+(+15円)=217.85円 

となります。

オプションって複雑なように見えますけど、こうやって考えれば、「なんだ、簡単じゃないか」と思っていただけたのではないでしょうか!?

シータって?

今回、ぜひ知っておいてもらいたいギリシャ文字は、“シータ”です。
これは簡単です。言葉での説明だけで十分かと思います。

シータ=1日だけ時間が経過した時に、失われるオプション価値

どうですか?簡単ですよね?

オプションは将来の可能性を価格にした商品です。従って、明日になるだけで他の価格等の要因が変動していなかったとしても、価値は減少します。可能性が小さくなるわけですから当たり前ですよね?

つまり、シータで減っちゃう分以上に、ガンマで稼がないとオプションの世界では負けということですね!A

では、最後に理解度チェックも兼ねて、問題を。

トヨタ自動車1株の株価:7,000円 【8月30日(金)の引値】
トヨタ自動車のコールオプション,プットオプションの価格:150円
【満期:1カ月,権利行使価格:7,000円,デルタ:50%,ガンマ:0.00057,ベガ:15円,シータ:4円】
※オプション1単位あたり、原資産1株に相当するものとします。

Q:9月2日(月)にトヨタ自動車の株価が、6,900円に下落し、オプション価格を計算する際のボラティリティが1%上昇した場合、上記のコールオプション、プットオプションはそれぞれいくらになるでしょうか?

答えは、第5回の「ガンマトレードとは?」の冒頭で解説しますね!


(eワラント証券 トレーディング部 ヴァイスプレジデント 吉野 真太郎)

※A これを具現化した戦略が、ガンマトレードになります。詳細は次回のコラムで説明する予定です。

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。