ディフェンシブ株が強いことに気付いているか?

 日経平均は弱含みもみ合いの動きを続け、昨夏から相場のけん引役だった素材株の上昇も一服している。もちろん半導体関連株のようにほぼノンストップの動きを続けるものもあるが、少なくとも全体相場の様子はやや変化していると言っていいだろう。
そうした中、ディフェンシブ株の中に昨年来の高値を更新するものが目立っている。「アサヒグループホールディングス(2502)」、「キリンホールディングス(2503)」のビール株、4月1日から経営統合によって「コカ・コーラボトラーズジャパン(2579)」となる直前の東西コカ・コーラ株、さらには「伊藤園(2593)」なども高値に進んだ。この動きは一体どういうことなのだろうか?
銘柄物色のセオリー通りに考えると、それまで買われていた(非ディフェンシブ)銘柄の動きが一服する半面で、出遅れ感のあるこれらに資金が向かったというものだ。ただ、今回はこれらの銘柄も安値に放置されていたわけではない。相対的な割安感によって買われたというには無理がある。

 ディフェンシブ株の特徴としては「業績モメンタムに大きな変化がない」「際立って高い流動性はない」「イメージが地味」「株主優待が人気(のものが多い)」などが挙げられるが、結果的に「売りが少ない」ことが足元の上昇の最大の要因と言えるかもしれない。外国人投資家や国内機関投資家が多く手掛ける、ディフェンシブ株の中では流動性が高い(=買いも多いが売りも多い)「明治ホールディングス(2269)」や「JT(2914)」はほとんど上昇していないことからも、比較的「売りが少ないディフェンシブ株」が上昇していることがわかる。

トレンドの継続性、意外高も特徴の一つだ

 このほかのディフェンシブ株で動意を見せている銘柄も指摘しておく。ディフェンシブ株の王道といえば薬品株だが、「武田薬品工業(4502)」が足元動きを見せており、「塩野義製薬(4507)」、「中外製薬(4519)」、「協和発酵キリン(4151)」等は高値圏にある。
食品株の「日清オイリオグループ(2602)」、「アリアケジャパン(2815)」などもほぼ目立たない格好で高値を付けている。トイレタリーや日用品周辺株もディフェンシブ株と定義できるが「ライオン(4912)」、「ユニ・チャーム(8113)」もやはり高い。ライオンなど2015年初からほぼ一貫して上昇しているではないか!?
このようなトレンドの継続性や意外高も、動き出した時のディフェンシブ株の特徴と言えよう。日々のボラティリティはそれほど高くないことから注目度が低いディフェンシブ株だが、これだけの動きを見せているとなると注目しないわけにはいかないだろう。

(株式ジャーナリスト 天海 源一郎)

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