トランプ・ショートストラングル戦略の有効な期間が続く

先月の寄稿において警告した「8月の下落」が示現したが、相場は米国による対中国関税施策第4弾を材料として織り込み、相場は落ち着きを取り戻しつつある。

2017年の「ゴルディロックス相場」を経て、昨年1月末の急落以降、結果的にオプション戦略としては、トランプ大統領の諸外国に対する施策発動によって相場が急落したタイミングで(行使価格が現値よりも下に設定した)プット売りを行い、その後、相場が高値圏で同じようにコールを売る、「ショートストラングル戦略」が有効な時間帯が続いている。
(無論、オプションの売りは損失が限定されたものではないので、個々のリスク許容量を十分に認識したうえで行うことが絶対的に必要な条件となるが。)

この戦略において、何よりも大切なことは「執行タイミングの決定」であるが、前回、ちょうど今回と真逆で「相場の天井示唆」として用いた米国VIX(恐怖指数)を加工したオリジナルな可視化グラフが、現在がそのプット売りのタイミングである可能性を示している。

昨夜の米国市場(米国日付け8月19日)のVIXは16.88と、8月8日以来の17割れとなったが、一番右の赤で囲った部分が、「恐怖の“底入れ”」を示していると考えられる。(算出式は下部に記載)

今回はグラフの左欄外に直近の数値を載せているが、これをご覧いただくと、今朝時点でその数値は90.2となり、同じく17割れであった8月8日の数値86.9よりも高いことが分かる。
つまり、オプションのプットを売るタイミングとしては現在の方が「安心感」が強いということだ。

同じように、「底入れ示唆」を示しているグラフがある。それは、私がテクニカル指標の中で、移動平均乖離率と同じように重要視している「RSI14日」の数値である。

こちらもオリジナルな加工として、この直近5日間の平均値と10日間の平均値を足すことによって、なだらかなトレンドラインが分かるように工夫しているが、これは、昨年までの長い期間、「買い場」だけでなく「売り場」についても的確に示唆してくれており、自分のなかで密かに“MVP”を与えているとともに、メールマガジンにおいてもとても評判の高いグラフなのだが、これについても、「50%-80%」という、「法定速度外数値」のさらに下の水準で、直近底入れをしたと思われることがお分かり頂けると思う。

これらのことから、現在が、プットを売るタイミングとして安心感があることが分かるが、それでは、コールはどのタイミングで売るべきかだが、無論、上掲の「RSI合計」もそれを教えてくれるが、これ以外にもう1つグラフを掲載する。

これは、RSIとともに重要視している移動平均乖離率について、「5日移動平均乖離率」、「25日移動平均乖離率」、「75日移動平均乖離率」の3つを合計して、尚且つ、その5日移動平均をとることによってなだらかなトレンドラインとしたものだが、この天井打ちをそのタイミングを測る材料として用いている。

いずれにせよコールを売るタイミングは、まだまだ先であろうということだ。


(スプリングキャピタル株式会社 代表取締役社長 チーフ・アナリスト 井上 哲男)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。