パウエルプット炸裂

プットとは言うまでも無くプットオプションのことです。eワラントさんで取引されている投資家の皆さんはプットの意味を当然ご存知だと思います。

リーマンショック以降の中銀総裁は、イエレン元FRB議長にしても、ドラギECB総裁も市場に何かショクらしきものがあれば緩和的な姿勢を示し株価の下値をサポートする傾向があります。これがパウエルプットやドラギプットなどと呼ばれるものです。

5日の米雇用統計の強い数字を受けて米長期金利は上昇しドルも上昇し株価はやや調整しました。しかし10日のパウエルFRB議長の議会証言では予想通りのハト派的な発言となり30~31日に行われるFOMCでの0.25%の利下げはほぼ織り込まれました。

SP500のオプションボラティリティのVIX指数は7月3日に12.57%、11日に13.03%まで低下し4月以来の低水準まで低下しています。2017年には10%を割れる水準まで低下したこともありましたが、その後は12~30%の水準のレンジで推移し、12%台はほぼ安値水準です。

また日経平均のボラティリティであるVI指数は13.5%と13%台に低下したのは2017年12月以来です。アベノミクス以降でも12.19%が最低で月ベースで言えば12%台は2回、13%台は今回を含めても5回しかありません。

市場が上昇している局面や、レンジで落ち着いている局面でのVI指数は15~20%付近で推移することがおおくあります。株価が下落する局面では20%を超え20~25%で推移するケースが多いようです。ですから今回の13%台のケースはまれなケースといえ、単に株価がじり高で推移しているだけではないように思えます。

米国株のほうは下値不安の解消がVIX指数の低下に繋がっていますが、VI指数のほうはそれもあるかもしれませんがむしろ取引の低調さからレンジマーケットが続くあるいは続くであろうとの予想からの低下の可能性があります。

8月にはいると夏休み相場で流動性が低下することで動きが大きくなるかもしれません。7月30~31日のFOMCまでは緩和期待からこのようにボラティリティが低い状況が継続する可能性が高いと思います

いずれにせよ金融緩和期待のマーケットでレンジ相場が続くのであればオプションボラティリティの低下が予想され、オプションの売りが有効かもしれません。

もちろん暴落時のプットオプションの売りは大きな損失の可能性もありますが、レンジの上下でうまく逆張りの戦略がしばらく有効かもしれません。


( 株式会社ADVANCE 代表取締役  YEN蔵)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の所属する組織およびeワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。