ヒンデンブルグオーメンが米国株の下落を予期していた?

eワラント証券が提供するヒンデンブルグオーメンが3月13日取引開始前に点灯しました。ヒンデンブルグオーメンとは高値・安値銘柄数や移動平均線などを基に算出するテクニカル分析の概念で、米国株式市場の株価急落を予兆するシグナルとして物理数学者ジム・ミーカ(Jim Miekka)が考案しました。シグナル点灯後1ヶ月程度の間に米国株式市場の下落が起こる可能性があると言われているため、しばらくの間は警戒をしておいたほうがよさそうです。

そこで本レポートでは過去にヒンデンブルグオーメンが点灯した後で米国株式相場にどのような動きがあったかを振り返ると共に、今後米国株式市場の急落があることを前提にしたときに選択する銘柄候補を検討します。

ヒンデンブルグオーメンって何?

eワラントジャーナルでは、eワラント証券が独自に定義したヒンデンブルグオーメンを毎営業日更新掲載しています(本日のトレードインディケーター)。
ヒンデンブルグオーメンはしきい値にどの値を用いるかによってシグナル点灯の有無は異なりますが、eワラント証券では以下の4つの条件を同時に達成した場合、シグナル点灯としています。

  1. ニューヨーク証券取引所(NYSE)での52週高値更新銘柄と52週安値更新銘柄の数が共にその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.2%以上
  2. NYSE総合指数の値が50営業日前を上回っている
  3. 短期的な騰勢を示すマクラレンオシレーターの値がマイナス
  4. 52週高値更新銘柄数が52週安値更新銘柄数の二倍を超えない

2014年から2016年の間に、これら4つの条件に同時に到達しオーメンが点灯したのは、下記の8回です(1ヶ月以内に複数回の点灯があった場合は、先頭の1回に包含されるものとします)。

①2014年5月 ②2014年9月 ③2014年12月 ④2015年1月
⑤2015年3月 ⑥2015年6月 ⑦2015年12月 ⑧2016年12月

点灯後の相場の大幅な下落の有無で見ると、実際に米国株式市場の目立った下落が発生したのは、8回の点灯のうち4回(上記の②、③、⑥、⑦)と、確率はちょうど50%となりました。これだけでは指標としての確実性としては乏しいものと言えそうです。

しかし、実際に下落が起きた4回それぞれのNYSE総合指数の最大下落率を見てみると、点灯から30営業日の間に3%強~10%強の大きな下落を伴っていることがわかります。確率は高くなくとも、ヒンデンブルグオーメンが点灯した際には十分に警戒をしておいたほうがよさそうです。

米国株式市場の株価急落があると考えるなら

そのヒンデンブルグオーメンが3月13日の取引開始前に点灯しました。既にトランプ政権の政策実現性への警戒感から3月21日のNYSE総合指数は前日比で1.2%の下落を見せましたが、ヒンデンブルグオーメンは一度点灯すると1ヶ月程度は有効とされており、4月中旬頃までは警戒しておいたほうが良いかもしれません。

オーメンが警告する米国株式市場の株価急落を投資機会にしようと考えるのであれば、それぞれの事情により影響度合いがまちまちになりがちな米国個別株よりは、米国株価指数のほうが投資対象としては適していると考えられます。eワラントであれば、ダウ平均を対象原資産としたプットのうち、権利行使価格が相場水準に近く、満期までの残存期間が短い銘柄が候補となりそうです。

また、経済がグローバル化した今日では、米国株式市場の変動は日本の株式市場にも大きな影響を与える可能性があります。したがって日経平均先物のショートや日経225オプションのプットなども選択肢の候補にあがるでしょう。日経平均を対象としたeワラントであれば、満期日や権利行使価格の異なる銘柄が充実しているので、「いつごろ下落が来るのか」や「どれぐらいの下落がくるか」といった各々の相場観にあった銘柄を選択することが可能です。

さらに、株式相場に警戒感が高まれば、安全資産として金や円に買いが集まる可能性があります。金価格の上昇や米ドル対円相場の下落が考えられます。eワラントの金リンク債コールや米ドルリンク債プットも銘柄候補として検討しても良いかもしれません。

<銘柄例>
ダウ・ジョーンズ工業株価平均 プット 297回
日経平均 プット 757回
日経平均 プット 762回
金リンク債 コール 227回
米ドル ドル安(プット)型 666回

(eワラント証券 投資情報室次長 多田 幸大)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。