フェイスブックのリブラは金融を変えるか

米国時間6月14日、米国株式市場でフェイスブックの株価上昇が話題になりました。仮想通貨事業に参入するという報道です。フェイスブックは18日、ブロックチェーン技術を活用したグローバル通貨「Libra(リブラ)」と、フェイスブックの子会社の「Calibra(カリブラ)」でのリブラ向けデジタウォレットのサービスを2020年に開始すると発表しました。

フェイスブックによると、世界中の成人の半数近くが銀行口座を保有しておらず、基本的な金融サービスの利用ができないとのことです。特に開発途上国ではこの傾向が強く、また、移民による送金手数料は大きな負担になっているとのことです。

フェイスブックはカリブラを通じ、ブロックチェーン技術によって低コストの金融サービスを世界中に展開しようとしています。リブラのプロジェクトにはカリブラの他に、マスターカード、ペイパルビザ、イーベイ、リフト、スポティファイ、ウーバーテクノロジーズ、ボーダフォンなど大手企業やベンチャーキャピタルなどが名を連ね、リブラを管理するリブラ協会の会員として参画することが発表されています。

リブラは銀行預金や短期国債など価格変動リスクの低い資産を裏付けとするため、他の仮想通貨のように大きな価格変動が生じにくいという特徴があるとのことです。また、マネー・ローンダリング(Money Laundering:資金洗浄)や詐欺行為についても対策を講じていくとのことです。

米国では2008年の金融危機以降、若年層を中心に可処分所得は増えていないという報道も見聞きします。このため、スマートフォンなどの通信端末とインターネット環境の普及を背景に、所有する経済から共有・協業する経済、いわゆるシェアリングエコノミー/エコシステムと呼ばれるサービスが拡大しているように思われます。

ブロックチェーンは相互に取引を監視し合うという点から言えば、シェアリングエコノミー/エコシステムの一つともいえ、ブロックチェーンを応用したリブラは金融サービスにおけるシェアリングエコノミー/エコシステムの到来を告げるものと言えるでしょう。金融業界にとって、歴史の大きな転換点に来ているのかもしれません。


(eワラント証券 投資情報室)

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