プット・コールレシオで反発タイミングを見極める

 日本株市場は年末にかけて大きく下落し、25日には日経平均株価が終値で20,000円を割るなど、投資家心理は悪化しているものと思われます。日本株市場は4日まで休場となりますが、このようなときこそ相場を客観的に見て投資戦略をじっくり考えたいところです。今回紹介するeワラントの「プット・コールレシオ」は投資家心理を把握するのに役に立つかもしれません。25日の取引終了時点における「プット・コールレシオ」を見ると、短期的な反発局面は近いかもしれません。

eワラントの「プット・コールレシオ」とは

 eワラントにはコール型、プット型、二アピン型、トラッカー型など様々なタイプの商品がありますが、相場上昇で値上がりが期待できるコール型と、相場下落で値上がりが期待できるプット型の取引が多くなっています。相場に強気な見方が増えるとコール型の取引が活発になり、相場に弱気な見方が増えるとプット型の取引が活発になる傾向があります。

 「プット・コールレシオ」はeワラントの日本株を対象とするコール型とプット型の売買代金に注目した指標で、プット型の取引が増えると「プット・コールレシオ」は上昇し、コール型の取引が増えると「プット・コールレシオ」は低下します。

 図は2018年1月4日から2018年12月25日までの日経平均株価とプット・コールレシオの推移を示したものです。黄色のローソク足は日経平均株価、青線は「プット・コールレシオ」です。(「プット・コールレシオ」の最新データはeワラントホームページをご覧ください。https://www.ewarrant.co.jp/tools/put-call-ratio/)。

相場の天井と底を示唆?

 「プット・コールレシオ」が高まってくれば弱気な投資家が増えてきた、逆に低下してくれば強気の投資家が増えてきた、と考えることができます。絶対的なものではありませんが、「プット・コールレシオ」には次の傾向があり、相場の割高・割安を判断する指標として利用できるかもしれません。

  • 割高の判断:相場の高値圏では、プット・コールレシオは低くなる傾向
  • 割安の判断:相場の底では、プット・コールレシオは急上昇し、鋭いピークを形成する傾向

 図中の白い点線で囲んだ部分が「プット・コールレシオ」のピークです。日経平均株価と比べてみると、ピークを形成した後に日経平均株価が上昇していることが分かります。また、8月以降の「プット・コールレシオ」を見ると、全体的に水準が切り上がっており、なかなか低下していません。相場の先行きに対して弱気な見通しをする投資家が増え、プット型eワラントを取引する傾向が強まったためと考えられます。直近「プット・コールレシオ」は再び上昇しており、総悲観に近づいていると思われます。

「プット・コールレシオ」に基づく投資戦略

 相場は上げもしくは下げが続くことはありません。どこかで短期的に反転するものです。相場格言の「人の行く裏に道あり花の山」は大勢が一方向に偏りすぎた場合には、大勢とは逆のポジションを検討せよ、ということです。「プット・コールレシオ」が上昇しているのは相場に対して悲観的な投資家が多くなりすぎていることを示唆しており、「人の行く裏に道あり花の山」で考えれば上昇局面が近いと考えられそうです。

 注意点としては、eワラントの取引は数日から数週間の相場観で取引されることが多いので、「プット・コールレシオ」が示唆する相場の底入れや天井のシグナルは、長期投資向きではなく、数日から1、2週間程度において有効なものと考えられます。

 1月に日経平均株価が21,000円程度まで戻ると想定するならば、満期日が4月~5月、権利行使価格が22,000円~24,000円となっているコール型eワラントが候補となるでしょう。日経平均株価が権利行使価格に達しなくても満期日まで数ヵ月残っている状況であれば、権利行使価格に日経平均株価が近づきさえすれば値上がり益を期待することができます。

 なお、プット・コールレシオは投資家の心理状態を把握できるという点で、過去の取引価格を観察するタイプのテクニカル分析より“ダマシ”は少ないと思われますが、プット・コールレシオを用いた投資手法が成功するとは限りません。大きな資金を投下し過ぎないなどリスク管理を心がけましょう。

(eワラント証券 投資情報室長)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。