プット・コールレシオは相場の上昇を示唆か?

今年前半の株式市場を振り返ると、昨年末に日経平均株価がザラバ中に19,000円を割り込んだことや、米中貿易交渉の長期化などにより、投資家の積極的な売買は手控えられ、様子見姿勢が強まった半年でした。投資家の慎重な姿勢とは裏腹に1月に日経平均株価は20,000円を回復し、6月には米国株式市場でS&P500株価指数が史上最高値を更新するなど、株式市場は堅調です。

投資においては複数の資産や投資対象に資金を分散する「分散投資」が王道とされますが、投資戦略も分散することも考えてみましょう。今回紹介するeワラントの「プット・コールレシオ」は投資家心理を把握するのに役に立つツールです。直近の「プット・コールレシオ」の動きからは相場の上昇を示唆しているものと思われます。投資戦略の一つとして「プット・コールレシオ」を活用してみてはいかがでしょうか。

eワラントの「プット・コールレシオ」とは

eワラントにはコール型、プット型、二アピン型、トラッカー型など様々なタイプの商品がありますが、eワラント投資家が主に取引しているのは相場上昇で値上がりを期待できるコール型と、相場下落で値上がりを期待できるプット型です。相場に強気な見方が増えるとコール型の取引が活発になり、相場に弱気な見方が増えるとプット型の取引が活発になる傾向があります。

「プット・コールレシオ」は日本の株価指数や個別株を対象とするコール型とプット型の売買代金に注目した指標で、プット型の取引が増えると「プット・コールレシオ」は上昇し、コール型の取引が増えると「プット・コールレシオ」は低下します。

図は2018年7月3日から2019年7月2日までの日経平均株価とプット・コールレシオの推移を示したものです。黄色のローソク足は日経平均株価、青線は「プット・コールレシオ」です。(「プット・コールレシオ」の最新データはeワラントホームページをご覧ください。)

相場の天井と底を示唆?

図中の白い点線で囲んだ部分は「プット・コールレシオ」が0.80を超えた局面で、鋭いピークを形成しています。1月と2月の過去2回のピークと日経平均株価と比べてみると、「プット・コールレシオ」がピークを形成した後に日経平均株価が上昇していることが分かります。直近の「プット・コールレシオ」は再び上昇しており、0.80を超え、言わば投資家の「総悲観」状況にあります。

「プット・コールレシオ」が高まってくれば弱気な投資家が増えている、逆に低下してくれば強気の投資家が増えている、と考えることができますので、これを逆手にとって相場の割高・割安を判断する指標として利用できるかもしれません。

割高の判断:相場の高値圏では、「プット・コールレシオ」は低くなる傾向(「総楽観」)

割安の判断:相場の底では、「プット・コールレシオ」は急上昇し、鋭いピークを形成する傾向(「総悲観」)

なお、昨年8月以降の「プット・コールレシオ」は、それ以前に比べて全体的に水準が切り上がってきています。相場の先行きに対して弱気な見通しをする投資家が増え、プット型eワラントを取引する傾向が強まったためと考えられます。

「プット・コールレシオ」に基づく投資戦略

相場は上げもしくは下げが続くことはありません。どこかで短期的に反転するものです。相場格言の「人の行く裏に道あり花の山」は大勢が一方向に偏りすぎた場合には、大勢とは逆のポジションを検討せよ、ということです。「プット・コールレシオ」が上昇しているのは相場に対して悲観的な投資家が多くなりすぎていることを示唆しており、「人の行く裏に道あり花の山」で考えれば上昇局面入りと考えられそうです。

注意点としては、eワラントの取引は数日から数週間の相場観で取引されることが多いので、「プット・コールレシオ」が示唆する相場の底入れや天井のシグナルは、長期投資向きではなく、数週間程度において有効なものと考えられます。

7月に日経平均株価が22,000円を超えてくると想定するならば、満期日が10月~11月、権利行使価格が22,000円~23,000円となっている日経平均株価を対象とするコール型eワラントが候補となるでしょう。日経平均株価が権利行使価格に達しなくても満期日まで数カ月残っている状況であれば、権利行使価格に日経平均株価が近づきさえすれば値上がり益を期待することができます。


(eワラント証券 投資情報室)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。