ボラティリティの急拡大をヘッジする方法

新型コロナウイルスの世界的流行を受けて、1月中旬ごろまでは24,000円を超える水準で推移していた日経平均も、2月中旬以降に大きく下落し、一時は16,000円台をつけることもありました。その後も急反発と急落を繰り返し、株式市場はまさに大荒れの展開が続いています。株式投資家としては気の休まらない日が続いているのではないでしょうか。


日本株市場の現状と今後のリスク要因

2017年の秋以降のほとんどの期間で日経平均が20,000円以上を推移していたことを考えると、現在の18,000円程度(2020年4月1日終値時点)という水準は、個人投資家にとっても手が出しやすい価格になってきたことは間違いないでしょう。長期的に日本株市場が再び上昇トレンドを描くことを考えるのであれば、下げたところで少しずつポジションを増やしていくという投資戦略は有効に機能するかもしれません。

一方で、新型コロナウイルスの世界的拡大にはいまだ収束の気配は感じられません。株式市場も落ち着きというにはほど遠く、それどころか、二番底や三番底の可能性を囁く声も聞こえてきています。4月から5月の株式相場に影響を与える可能性がある要因としては以下のようなものが考えられます。

今後のリスク要因

  • 日本国内での新規感染者数の急増
  • 首都圏の都市封鎖(ロックダウン)
  • 経済指標の予想以上の悪化(or 改善)
  • ワクチンや治療薬の開発状況
  • 企業業績の予想以上の悪化
  • 上記に伴う企業の信用不安
  • 投機筋の仕掛け的な売買

上記を考えると、長期投資を念頭に置いておいたとしても、現在の変動が大きく、目先でさらなる下落の可能性もある相場において、株式を買うのは少し勇気がいる選択かもしれません。


変動性=ボラティリティ

相場解説などで相場の変動が大きいときに「ボラティリティが高い」、相場の変動が小さいときに「ボラティリティが低い」というフレーズを聞いたことがあるという方は多いかと思いますが、ボラティリティとは相場の変動度合いのことを言います。

図1は日経平均株価の「ヒストリカル・ボラティリティ」の推移を示したもので、10営業日ごとに日経平均株価の変動率から求めた標準偏差(年率換算)を掲載しています。


参考までに同期間の「ヒストリカル・ボラティリティ」の平均(緑色の線)も掲載していますが、2月後半からのヒストリカル・ボラティリティは平均を大きく上回っていることがわかります。今回の「コロナショック」がもたらした相場変動の大きさがいかに大きかったかがわかります。


ボラティリティの急拡大をヘッジする

ボラティリティの急拡大が株式投資にとってリスクなのであれば、ボラティリティ拡大で収益が得られる商品への投資と株式投資を組み合わせることで、ボラティリティの変動に保険(ヘッジ)を掛けつつ、株価の上昇で利益が狙えるかもしれません。また、ボラティリティは相場が急落する局面で上昇する傾向がある、という性質があります。

これらを考慮すると、ボラティリティに直接投資するわけではないですが、ボラティリティの上昇と相場の急落が価格上昇につながるプット型eワラントを保有することで「ボラティリティの急拡大」と「相場の下落」の両方に対してヘッジ効果が期待できそうです。


本来は「ボラティリティの急拡大がありそう」≒「ボラティリティが低い水準にある」ときのほうが有効な戦略ではあるのですが、ボラティリティが高い水準にあっても更なる相場の急変が予想されるのであれば効果を発揮するものと考えられます。前述の通り、現在の相場にさらに大きな波乱をもたらしかねないリスクの種は多数残ってますので、試してみる価値はあるかもしれません。

ボラティリティの水準は、eワラントジャーナルの「マーケットデータ(日本関連)」(ヒストリカル・ボラティリティ)などで見ることができます。


(eワラント証券 投資情報室長 多田 幸大)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。