ヤフー vs 楽天!コマツ vs 日立建機!あなたならどちらに賭けますか?

9月8日に「ダメな銘柄はとことんダメなのか!?順張り相場が続く日本株市場の今後は?」という記事をeワラントジャーナルに掲載させていただきました。

その中で、日経平均採用銘柄を対象に年初からのパフォーマンスを計算しランキング化させた後、上位数銘柄と下位数銘柄での逆張り戦略を提案させていただきました。
しかしランキング表をよく見ると、同業の銘柄なのに、大きなパフォーマンス差がついているペアがあるようです。※1
通常、同業種同士であれば、株価の値動きは似たような動きになるのが一般的であるにもかかわらず・・・

そこで今回は、それらの中でも
 ・楽天とヤフー(Zホールディングス)
 ・コマツと日立建機
を取り上げてみたいと思います。


ヤフー vs 楽天

下図をご覧ください。これは年初から9月4日までの両者の値動きと、「ヤフー買いの楽天売り」というペアトレードのパフォーマンスをそれぞれ標準化してプロットしたものです。

如何でしょうか?

同じオンラインショッピング業界とはいえ、ここまで株価の推移が異なってくるのか…と思いませんか?
自粛生活の中、巣ごもり消費銘柄として両社とも恩恵を受けましたが、株価にはこれだけ差が出ております。約40%以上も楽天の株価はヤフーの株価に負けていることになります。

大きな要因としては、楽天の携帯電話事業への参入、持ち分法適用会社の米リフト社の株価下落、ヤフーのLINEとの経営統合が挙げられると思います。

では今後の展望はというと?

私見にはなりますが、逆張りするのには良いタイミングかと思っております。
両者の株価に大きな乖離が生まれたのは第一四半期決算が発表されたタイミングです。
内容を見てみますと、携帯電話事業の設備投資増と、米リフト社の株価下落の影響で、楽天は今期赤字に転落する見込みであるのに対して、ヤフーは確かに黒字を確保していました。
しかし、売上高の伸びを見てみますと、楽天が約18%増に対してヤフーが14%増と、楽天にやや分があります。

今期の予想PER/PBRは、ヤフーが57倍/4.06倍であるのに対して楽天は-倍(赤字)/1.9倍です。今後、楽天モバイル事業が軌道に乗り契約数が順調に伸びていき、結果黒字転換を果たすならば、楽天の方が割安になることが想像できるでしょう。
そうなれば、両者の株価の開きも次第に収斂していくでしょう。
従って、「楽天買いのヤフー売り」の好機かもしれません。


コマツ vs 日立建機

下図をご覧ください。これは年初から9月4日までの両者の値動きと、「日立建機買いのコマツ売り」というペアトレードのパフォーマンスをそれぞれ標準化してプロットしたものです。

如何でしょうか?

こちらも同じ建機業界とはいえ、パフォーマンスに大きな差が出ております。
前述の楽天とヤフーに比べて、元々建機業界は互いの株価の相関性が非常に高い業界でした。
どこのメーカーも優劣はあるにせよ、作っているものはほとんど同じです。従って、例えばコマツだけが好調で、米キャタピラーが不調というのは、あまりない業界でした。
しかし実際のパフォーマンスはというと、日立建機の圧勝に終わっております。
ここまでコマツと日立建機の株価に乖離が生まれることは、私もあまり見たことがないというのが正直なところです。

では、今後はどうなるのでしょうか?

こちらも私見にはなりますが、両者のパフォーマンス差は縮小していくものと考えています。
コマツのアンダーパフォームに拍車がかかったのが、第一四半期決算が発表された後です。
コマツ・日立建機ともにコロナショックの影響で大幅減収・減益の内容だったのですが、コマツの方が、コロナショックの影響を大きく受けた北米市場のウェイトが相対的に高いために、ネガティブインパクトは大きかったと思われます。

しかし、その後の両者の株価の調整の結果、今期末の予想PER/PBRはコマツが31倍/1.24倍に対して日立建機は39倍/1.67倍と、明らかに日立建機の方が割高になっております。

今後、コロナショックの影響が落ち着き、北米市場が回復すればコマツの株価の大幅な戻りが期待できるでしょう。

従って、今は「コマツ買いの日立建機売り」の好機と考えられそうです。


(eワラント証券 営業部ヴァイスプレジデント 吉野真太郎)

※1 同業の2銘柄間でロングショート戦略を行うトレーディングを、ペアトレードと言います。
トヨタ自動車とホンダ、日本航空と全日空と言ったようなペアが該当します。
同業種間でロングショートポジションを組むことにより業界全体の要因や株式市場全体の要因からくる株価へのインパクトを排除でき、純粋に企業の個別的要因だけをみてトレーディングできることになります。

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。