リターン・リバーサル相場が変質する可能性

ここまで“昨年悪パフォーマンス銘柄”の急反発がみられた

 前回(2018年12月26日)に寄稿した記事「2019年の具体的な投資戦略について考えてみた」ではロング&ショート戦略として「2018年にパフォーマンスが悪かったセクター/銘柄」を対象とした。

(2018年12月26日終値と2019年1月28日までの高値の比較)
ルネサスエレクトロニクス(6723・東証1部) 453円→656円(1/25)
コマツ(6301・東証1部) 2,297.5円→2,903.0円(1/28)
日東電工(6988・東証1部) 5,326.0円→6,138.0円(1/28)
ミネベアミツミ(6479・東証1部) 1,487.0円→1,790.0円(1/28)
安川電機(6506・東証1部) 2,637.0円→3,185.0円(1/28)
パナソニック(6752・東証1部) 938.0円→1109.5円(1/22)
住友金属鉱山(5713・東証1部) 2,795.5円→3,247.0円(1/22)

 典型的なリターン・リバーサル手法(逆張り投資)が功を奏する展開となり、ロング戦略に分があった。リターン・リバーサル手法とは株価が下がった銘柄はいずれ反発し、逆に、値上がりした銘柄は下落することが多いという経験則に基づくものだ。日経平均株価も2018年12月26日のザラ場安値18,948円58銭から2019年1月第3週にかけ20,800円台まで急回復した。1月17日に電子部品モーター大手の「日本電産」が中国需要の急減速を主因に2019年3月期の業績予想を下方修正した(それまでの会社予想から売上高1,500億円、営業利益500億円引き下げる大幅な下方修正)ものの、同社株だけでなく全体相場への悪影響がほぼ見られない意外な動きとなった。

ここから“足元冴えないパフォーマンス銘柄”へと物色が変化する?

 ただ「中国の景気減速懸念」、その背景にある「米中貿易摩擦への警戒」が消えたわけではない。米企業でも、建設機械世界トップのキャタピラー社の2018年10~12月期決算において、1株利益と2019年12月期通期の1株利益見通しが市場予想を下回り、画像処理半導体(GPU)のエヌビディア社は、2018年11月~2019年1月期の売上高見通しを下方修正した。主因はやはり「中国需要の減速」だ。このことは東京株式市場でも改めて「中国関連株」に対する嫌気売りにつながっていると見る。

 他方、政府は1月29日の月例経済報告に関する関係閣僚会議で、第2次安倍政権が発足した2012年12月に始まった景気拡大が、2019年1月で6年2カ月と戦後最長を更新した可能性が高いとの認識を示している。この状況下では、株価水準にも妙味が感じられる「内需株」に物色が向かう可能性はないだろうか?外需株の反発が一服する中、全体相場が大崩れしない中では十分にあり得る「循環物色」だろう。

 以下の銘柄がその対象となりそうだ。

セブン&アイ・ホールディングス(3382・東証1部)

 おなじみのセブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、ヨークベニマルなどを傘下に持つ国内2位の流通グループ。

ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028・東証1部)

 コンビニエンスストア大手の「ファミリーマート」と東海地盤のGMS(総合スーパー)のユニーグループ・ホールディングスが経営統合。GMS部門はドンキホーテホールディングスの子会社に。

良品計画(7453・東証1部)

 「無印良品」ブランドで生活雑貨・衣料の企画開発・製造から流通・販売まで一貫で手掛ける。海外は中国での出店を強化。

NTT(9432・東証1部)

 収益の柱は「NTTドコモ」で営業益の約6割。固定電話は減少傾向だが、光回線サービスの開拓を継続。

KDDI(9433・東証1部)

 総合通信会社の一角。収益の柱は携帯電話事業の「au」。カブドットコム証券に最大1,000億円規模の出資をするなど、他事業への積極展開がみられる。

(株式ジャーナリスト 天海 源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。