先日、「リバランスイベント後の戻りに期待!eワラントコールを使って投資してみては?」という記事をeワラントジャーナルに掲載させていただきました。
前回の記事では、MSCI社がリバランス内容を発表したタイミングから、リバランス実行日の5月27日までの動きを観察していきました。リバランス日に向けて、しっかりと日経平均株価をアンダーパフォームしていったという結論でした。
今回は、リバランスによって指数から除外となった銘柄がその後どのようなパフォーマンス推移になっているのか調べてみたいと思います。
教科書的には、リバランスという特殊的な売り圧力がなくなったわけですから、元の水準に戻っていくことが予想されますが、果たしてどうなっているでしょうか?
検証方法
指数から除外となった下記29銘柄で等ウェイトのバスケットを組成し、日経平均株価のパフォーマンスと比較する。
実際には、除外銘柄バスケットをショートし、日経平均株価をロングすることになります。
【除外銘柄】
- 山崎製パン【2212】
- カルビー【2229】
- コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス【2579】
- アルフレッサホールディングス【2784】
- 東急不動産ホールディングス【3289】
- 帝人【3401】
- クラレ【3405】
- エア・ウォーター【4088】
- 太平洋セメント【5233】
- 日本特殊陶業【5334】
- アマダ【6113】
- セガサミーホールディングス【6460】
- 豊田合成【7282】
- しまむら【8227】
- 丸井グループ【8252】
- 新生銀行【8303】
- ふくおかフィナンシャルグループ【8354】
- 京都銀行【8369】
- イオンモール【8905】
- 京浜急行電鉄【9006】
- 西武ホールディングス【9024】
- 京阪ホールディングス【9045】
- 名古屋鉄道【9048】
- 九州旅客鉄道【9142】
- 中国電力【9504】
- 九州電力【9508】
- 日本空港ビルデング【9706】
- スズケン【9987】
- サンドラッグ【9989】

検証結果
上の図1をご覧ください。MSCI社がリバランスを発表した5月11日からの除外銘柄バスケットのパフォーマンス推移を表したものです。赤色で囲った5月27日の大引けのタイミングでリバランスが行われました。
如何でしょうか?
冒頭お話ししましたように、リバランス日までは教科書通りの動きをしていました。
しかし、リバランス日以降、本来であれば、除外銘柄バスケットが日経平均株価をオーバーパフォームしてもおかしくないのですが、ほとんど変わらずの水準を行ったり来たりしているのがお分かりになるかと思います。
つまり、イベント効果で売られるだけ売られて、その後、イベントが終わったにもかかわらず元の水準に戻っていないことを意味します。
これは買い場の好機と捉えても良いかもしれません。
しかし、上記29銘柄のバスケットを組成するのは、個人投資家の方々には中々難しかったりします。
そこで、29銘柄それぞれの動きを個別で検証し、パフォーマンスでランキングをつけ、上位3銘柄と下位3銘柄の推移をグラフにしてみました。下の図2、表1をご覧ください。


如何でしょうか?
上位3銘柄と下位3銘柄では、平均すると約33%ものパフォーマンス差がついてしまっています。
つまり、戻るものは戻っていますし、戻らないものは戻らないまま放置されていることになります。
ここで重要なのは、業績などのファンダメンタルズでこのような結果になっているのではないということです。
従って、足元ではこれだけ差がついていますが、いずれ収束してくるのではないか?と推測することができます。
今後の戦略は?
前述しました上位3銘柄と下位3銘柄でロング・ショートポジションを組成するのが良いかもしれません。(上位3銘柄をショートし、下位3銘柄をロングする。)
または、表1をご覧いただければ分かるかと思いますが、今回のリバランスでは同業同士で除外になった銘柄が多数ありました。例えば、陸運業、銀行業、電力業などがそれにあたります。
従って、異業種間でのロング・ショート戦略に疑問を感じる投資家の方であれば、これらの同業種内でロング・ショートポジションを組んでみるのも投資妙味があるでしょう。
あくまでも一例にはなりますが、「西武ホールディングスをショートし、名古屋鉄道をロングする。」などが良い例になるでしょう。
その他、前回の記事でも申し上げたように、eワラントを使って、損失限定で投資してみるのも有効です。
丸井グループ【8252】、クラレ【3405】、太平洋セメント【5233】の3銘柄はeワラントの原資産にもなっておりますので、この機会にぜひ利用してみてください。
(eワラント証券)
* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。