三日新甫となる7月は荒れ相場になる?

相場格言に「二日新甫(ふつかしんぽ)は荒れる」というものがあります。二日新甫とは1日が取引日ではなく2日から取引が始まる月の相場のことで、「二日新甫は荒れる」とは2日で取引が始まった月は相場が荒れるという意味です。

検証の結果、「二日新甫」よりも「三日新甫」の方が荒れそうだ、ということが分かりました。

検証1:新甫当日の動き

ひとえに「荒れる」と言っても日中の値動きが大きいことを言うのか、前日比で大きく動くということなのか定かではありません。

そこで新甫ごとに、月初第一取引日の日経平均株価について、日中変動率((高値-安値)÷始値)を表1に、前日比率(終値ベース)を表2で比較してみました。観測期間は筆者が日経平均株価の四本値を取得できる1988年5月から2017年5月までです。

表の見方ですが、例えば表1では1日新甫、つまり月初第一取引日が1日であった日は230日あり、日中変動率の平均値は1.57%であったことを示しています。

この230個のデータはまだ発生していない将来の分を含めた1日新甫のデータの集合(母集団)のサンプルと考えることができます。日中変動率が新甫によって違いがあるのかを見るには、サンプルの平均だけではなく、サンプルから推定した母集団の平均、いわゆる母平均の水準を探る必要があります。

母平均を推定するにあたり、データのばらつきとサンプル数を考慮する必要があります。

例えば1991年7月1日の日中変動率は3.44%でしたが、2012年2月1日の日中変動率は0.57%と、数値にばらつきがあります。

サンプルデータのばらつきは表中の標準偏差という数値で示しています。この数値が大きいほどサンプルデータのばらつきが大きいことを示しています。加えて、サンプルデータの数も多いほうがよいと考えられます。

そこで標準偏差とサンプル数から計算したのが「サンプルから計算した母平均の推定値」です。この範囲に母平均が含まれるだろうと考えられます。

表1の「サンプルから計算した母平均の推定値」を見ると、日中変動率は1.4%~1.6%あたりが各新甫の母平均かもしれません。

新甫によって日中変動率に明確な違いはなさそうです。なお、母平均は平均値ですから、実現する日中変動幅が母平均を超えることも下回ることも当然にあります。

表2では前日比率について新甫ごとに比較しました。母平均の推定値に注目しますと、二日新甫と三日新甫ではマイナス方向に偏っている一方、四日新甫ではプラス方向に偏っていることが分かりました。

つまり、二日新甫または三日新甫では前日比で相場が下がる傾向が平均的にありそうだということ、四日新甫ではサンプル数の少なさから信頼度は落ちますが、前日比で相場が上がる傾向が平均的にありそうだということが分かりました。

検証2:月間変動率

表3では新甫ごとに月間変動率に違いがあるかを比較しました。三日新甫の月間変動率がマイナスで目立っており、母平均の推定値もマイナス方向に偏っています。

誤差の大きさは考慮に入れる必要はありますが、三日新甫は月間でも相場が下がる傾向が平均的にありそうだということが分かりました。

なお、三日新甫は1989年4月以降、週休二日制が導入されてから出現しており、四日新甫は1月と11月、五日新甫は1月のみ、六日新甫は1月と5月のみ出現しています。

四日~六日新甫はサンプル数が少ないので分析結果の信頼度は高いとは言えず、母平均の推定値の範囲も広くなることには注意が必要です。

投資に活かすなら

以上の結果から、「二日新甫は荒れる」を現代に当てはめるなら「三日新甫は荒れる」となるでしょう。2017年7月3日は「三日新甫」です。

7月の相場が荒れることを想定するなら、キャッシュポジションを高めた上で、権利行使価格が相場水準に近い日経平均のプットを1ヵ月程度保有する、日経平均マイナス3倍トラッカーを下落トレンド発生に備えて保有するなどの戦略が考えられるでしょう。

<ご参考>今後の月初第一営業日
2017年7月:三日新甫
2017年8月:一日新甫
2017年9月:一日新甫
2017年10月:二日新甫
2017年11月:一日新甫
2017年12月:一日新甫
2018年1月:四日新甫
2018年2月:一日新甫
2018年3月:一日新甫
2018年4月:二日新甫
2018年5月:一日新甫
2018年6月:一日新甫

(eワラント証券 投資情報室)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。