上がるか?下がるか?だけが投資ではない!eワラントの使い方を徹底解説!

前回は、「2022年はeワラントを活用して、投資の幅を広げてみませんか!?」 と題してeワラントの使い方についてお話ししました。

復習の意味で特徴をまとめますと、以下の通りです。

  • eワラントは長期投資には不向き。
  • 予想が外れても投資元本以上の損失はない。
  • 予想が当たれば、利益に上限なし。(※プット型には上限あり)

予想が的中したら儲かって、外れても損しない、まるで夢のような商品、とまではいきませんが、株式投資やFXなどとどは異なり、損益線が対称ではなく、予想が当たった時の方が大きな利益を出すことができる特殊な構造になっていると言えるでしょう。

実はこのような構造になっているが故に、複数のeワラントを組み合わせることによって、更に面白い投資戦略が可能になりますので、今回はそちらをご紹介したいと思います。


上がるか下がるか?以外の戦略ってないの?

一般的に “投資” というと、「上昇すると考えるならば買って、下落すると考えるならば売る。」という説明になるかと思います。
しかし、確率が二分の一だと分かっていても、上がるか下がるか?を当てることは中々容易ではありません。

「上がっても下がっても、どっちに動いても儲かる商品ってないのかなー?」と思い悩んでいる人もいるのではないでしょうか?

そんな皆さんに朗報です。

実は、あるんです。そのような商品が。

仕組みは至って簡単です。下の図1をご覧ください。ここでは具体例としてドル円相場を投資対象とするeワラントを想定して説明しています。

コール型eワラントを買い(図中の赤色の損益線)、プット型eワラントも買う(図中の青色の損益線)。
たったこれだけで、それら2つの商品の合成ポジションは、図中の緑色の損益線へと変わるんです。

どうですか?

ドル円相場が円安、円高どちらに動いても利益が増えていく構造になっているのが分かるかと思います。

実はこの戦略、オプション市場では良く知られている戦略でして、“ストラングル” と呼ばれているものになります。

現在値を基準に考えるならば、現在値よりも少し上の権利行使価格をもったコール型eワラントと、現在値よりも少し下の権利行使価格をもったプット型eワラントを買うのが一般的なスタイルになります。

ただし、注意しなければならない点が一点だけあります。
それは、“ある程度大きく変動しなければ、損失限定とはいえ、損失となってしまう” ということです。

もう一度、図1をご覧ください。
緑色の損益線が、現在値付近では損失エリアに位置していることが分かるかと思います。
つまり、「どちらに動くか予想しづらいけど、どちらかに大きく動き出しそうだなー。」と思う時に有効な戦略と言えるでしょう。


思わぬ大きなリターンを呼ぶことも!?

意外に知られていないのですが、ストラングル戦略には、“一方向に大きく動く” 以外にも “行ってこい相場に強い” という特徴もあります。

例えば、アメリカでトランプ新政権が誕生した2016年11月8日の大統領選挙の時を思い出してみてください。
開票速報と共に、トランプ氏優勢が伝わると、リスクオフムードから一時急激に円高が進みました。
その結果、プット型eワラントの価格が急騰し、そこで大きな利益を得た投資家の多くは、その時点で利益確定売りをしました。
しかし、一方で同時に保有していたコール型eワラントはというと、円高になったために急落し、価格がほぼゼロ円になっていました。ただ、投資元本以上の損失はないので、そのまま売らずに放置された投資家の方々がほとんどでした。
すると、しばらくすると、トランプ新政権の景気対策への期待が高まり、一転リスクオンムードになり、円高水準に振れていた相場が、急激に円安方向に動き始め、その結果ゼロ円だったはずのコール型eワラントが急騰し、こちらでも大きな利益を得るという結果になったのです。

つまり、ストラングル戦略は、「どちらか一方である必要はなく、むしろ行ったり来たりする場合の方がより稼ぐことができる。」と言えるでしょう。


具体的な使い方は?

相場を大きく動かすような重要イベントの前に仕込んでおく、というのがベストな使い方と言えるでしょう。
為替市場であれば、政治・経済イベントなどがそうですし、株式市場であれば、会社の決算発表などが当てはまるでしょう。
予想に反してあまり変動しなかったとしても、損失は限定ですので、その点も安心かと思います。

2022年は、「イベント前にはeワラント!」というテーマで投資してみてはいかがでしょうか?


(カイカ証券 吉野 真太郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、カイカ証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。