新聞、経済雑誌などを読んでいると、「全面高」ならぬ「全部高」という言葉を目にするようになりました。
つまり、株式のみならず、商品、債券、為替、暗号資産(仮想通貨)など、あらゆる投資対象が全て上昇していることを意味します。
このような状況になっている背景には、日米欧の中央銀行が大量のマネーを刷り続けていることがあげられますが、足元の状況はどうなっているのでしょうか?
その拡大ペース次第によっては、全部高の相場展開にも変化の兆しが出る可能性がありますので、改めてデータを検証してみたいと思います。
下図をご覧ください。
図1は、2013年7月~2021年4月までの日米欧のマネタリーベース(日本円換算)の推移と、その変化幅(前月比)を6カ月移動平均化してプロットしたグラフになります。
図2は、同期間の各国のマネタリーベース(日本円換算)の推移を国別に折れ線グラフにしたものです。
図3は、同期間の各国のマネタリーベース(日本円換算)と米株式市場との関係を表したものになります。



2018年には米国を中心にテーパリングが始まり、日米欧全体でもマネタリーベースの金額が減少するという状況になっておりましたが、2020年の初頭に起きたコロナショックの影響で、再び金額が急拡大する流れとなりました。
しかし、コロナショック後に順調に株価が回復するなど、景気回復の兆しが顕著になってきているため、各国の中央銀行は、拡大ペースを縮小し始めています。(図1を参照)
この流れは今後も続くと予想され、膨大に膨れ上がったマネーの量が今後も増え続けるということは、中々考えづらいかもしれません。
そのように考えるならば、今後は2018年のような踊り場相場の展開が予想されます。(図3を参照)
今後の戦略は?
下がらないにせよ、上がりもしないという相場がやってくると、今までのように純粋にバイアンドホールドしているだけでは収益を上げることが難しいでしょう。
そこで、有効になってくるのがロングショート戦略になります。
過去、eワラントジャーナルにおいて、幾つかのロングショート戦略のアイデアを紹介してきました。
再度、ご覧になっていただき、投資にお役立ていただければと思います。
(参考記事)
「たった2週間で21%のリターン!?ビットコインとイーサリアムで合わせ技一本!!」
(eワラント証券 吉野 真太郎)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。