中国恒大集団の影響は?日本の中国関連銘柄のパフォーマンスを検証!

中国不動産大手の恒大集団の資金繰り悪化により、中国不動産バブルの崩壊、ひいては中国経済の景気悪化が懸念されています。
足元においては、保有株の売却などで債務の返済資金をなんとか捻出しており、デフォルトまでは至っていませんが、その場しのぎの資金繰りは長く続くわけもなく、いずれデフォルトになる可能性が高いかもしれません。

図1をご覧ください。
これはコロナショック後のハンセンH株指数と日経平均の推移を週次ベースで表したものです。

(カイカ証券にて作成)

コロナショックの後、全世界的に株価が反発し、米国のように最高値を更新してきている市場があるにもかかわらず、ハンセンH株指数はコロナショック後の戻りが弱く、足元では恒大集団の問題も影響しているのか、コロナショック前の水準を大きく下回った株価水準となっております。
日経平均と比べても約40%以上のパフォーマンス差が出てしまっているのが現実です。

では、日本株の中で中国関連株と言われている銘柄のパフォーマンスはどうなっているでしょうか?

かつて日本経済新聞社が「中国で積極的に事業展開を進める国内主要上場企業50銘柄」で構成された「日経中国関連株50」という株価指数を算出・公表していました。(※21年6月25日をもって算出を終了済。)

算出が終了したとはいえ、この指数に属していた銘柄が中国関連株であることに変わりはないため、今回はこの50社の株価を使って、日本の中国関連株のパフォーマンスを分析してみることにします。

まず、50社のリストは?というと以下の通りです。

3402 東レ6758 ソニー
3407 旭化成6762 TDK
4005 住友化学6902 デンソー
4063 信越化学工業6954 ファナック
4183 三井化学6971 京セラ
4188 三菱ケミカルHLDG6981 村田製作所
4452 花王6988 日東電工
4612 日本ペイントHLDG7011 三菱重工業
4911 資生堂7201 日産自動車
5020 JXTG HLDG7203 トヨタ自動車
5332 TOTO7267 本田技研工業
5401 日本製鉄7453 良品計画
5406 神戸製鋼所7731 ニコン
5411 ジェイエフイーHLDG7751 キヤノン
5713 住友金属鉱山7956 ピジョン
6103 オークマ8001 伊藤忠商事
6273 SMC8002 丸紅
6301 小松製作所8031 三井物産
6305 日立建機8035 東京エレクトロン
6367 ダイキン工業8053 住友商事
6471 日本精工8058 三菱商事
6501 日立製作所8113 ユニ・チャーム
6503 三菱電機8267 イオン
6594 日本電産9104 商船三井
6752 パナソニック9983 ファーストリテイリング

■直近のパフォーマンスは?

図2をご覧ください。
これは、上記50社の株価を等ウェイトで組み入れたバスケットを組成し、そのバスケットのパフォーマンスと日経平均のパフォーマンスをコロナショック後で比較したものになります。

(カイカ証券にて作成)

ハンセンH株指数ほどではありませんが、日本の中国関連株に関しても、日経平均を下回るパフォーマンスとなっていることが分かります。足元では、約4%のアンダーパフォームになっています。

ただ、恒大集団の問題が更に深刻化すれば、この程度のアンダーパフォームで済むことはなく、更にパフォーマンスが悪化する可能性があるでしょう。

しかし50銘柄すべてを空売りするのは非現実的ですから、50銘柄のパフォーマンスにランキングをつけてみました。

表1をご覧ください。
これは2020年1月3日の株価を100として足元の株価の水準をランキング化したものになります。
同じ中国関連銘柄とはいえ、パフォーマンスには大きな差が出ていることが分かります。

(カイカ証券にて作成)

次の図3は表1における上位3銘柄と下位3銘柄のパフォーマンスの推移を表したものになります。

(カイカ証券にて作成)

業種の違いと言えばそれまでになりますが、トップ3の東京エレクトロン、商船三井、ソニーなどの景気敏感株が、ピジョン、花王などの小売り業のパフォーマンスを大きく上回っているのが分かるかと思います。

■今後の戦略は?

景気敏感株は今のところコロナショック後の経済復興の特需もあり、大きく値を上げていますが、もし今後、恒大集団がデフォルトをおこし、中国の不動産バブルの崩壊が現実味を帯びてくるようであれば、先んじて上昇した分が調整されてくる可能性もあるでしょう。
一方で中国関連の小売業などは、図3からも分かるように、既に十分出遅れている側面が強く、更に一段安となる可能性は低いかもしれません。

その前提に立つならば、表1における上位銘柄のプット型eワラントを買う一方で、下位銘柄のコール型eワラントを買うという戦略が有効に働くかもしれません。

eワラントであれば、追証もなく空売りと同等の効果を生むことが可能ですので、ぜひ活用していただければと思います。

(カイカ証券 吉野 真太郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、カイカ証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。