中国関連株の売買タイミングを気にすべき時だ

ここまでバリュー大型株主導の展開

前回記事「急動意バリュー株の安値買いを狙う時」 が公開されたのは9月30日の大引け後だ。「米中貿易摩擦、同摩擦から生じる景気減速懸念が消えたわけではないものの、投資家のスタンスは良化している」と指摘し、バリュー大型株を参考として取り上げた。それら銘柄の10月1日始値→10月30日引値までの期間につけた高値を検証してみたい。

日立製作所(6501)4,063円→4,300円(10/30)
オリックス(8591)1,618.5円→1,733.0円(10/29)
三井住友フィナンシャルグループ(8316) 3718.0円→3,930.0円(10/29)
東レ(3402)809.8円→848.5円(10/16)
住友金属鉱山(5713)3,344円→3,715円(10/30)

日経平均株価が21,831円44銭→23,008円43銭(10/29)の動きだったことを考え併せると、やはりバリュー株、それも大型株に分があったことが確認できる。この動きは小休止を交えながら9月以降継続しているものだ。日本国内の独自要因や需給関係に目立った変化がない中では、同じような状況が続いていくと考えるのがまずは賢明ではないだろうか。

米中交渉懸念による短期停滞は買い場に

もちろん今も米中通商交渉の行方に不安がないわけではない。ただそれは以前からある懸念材料であり、すでに短期間で消失するものではないというコンセンサスも投資家の間に確立されている。ここからはどちらかというと「交渉停滞時」よりも「交渉進展時」により強く株価が反応する流れになっていくのではないだろうか。

10月10-11日に開催された米中閣僚級協議において部分合意が成立したと報じられている。

  • 中国が米国産農産物の輸入を拡大する
  • 中国金融市場の自由化、外国為替市場の透明性向上
  • 中国は外国企業に対する強制的技術移転を止め、知的財産保護の実現を進める

これに対しアメリカは、10月15日に予定していた対中追加制裁(中国の輸入品2,500億ドル分の品目を対象とした制裁関税の税率を25%から30%に引き上げ)の発動を見合わせた。ただ、トランプ米大統領は、この合意を「第1段階」と表現しており、包括合意ではなく部分合意であると思われ、波乱含みであることがうかがえる。

当稿執筆時点で、チリのピニェラ大統領が11月16-17日にチリの首都サンチアゴで開催される予定だったアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議について、治安の悪化を理由に開催断念を表明したという一報が伝わっている。APEC首脳会議時に「米中首脳会談」が開催され、トランプ米大統領と習近平・中国国家主席による正式文書の署名が期待されていたが、思わぬ展開となった。

このような時は特に冷静な判断が必要となる。米中交渉のここまでの流れや、株式市場の反応を急に否定するような考えに傾かないほうがいいだろう。米中交渉は間違いなく進展しており、当然の紆余曲折があるものの、そうした時(=株式市場の短期的停滞時)が投資家にとっては「買い場」となることがここまで見られているからだ。見直しの動きが強まる「中国関連株」に注目していきたい。

ダイフク(6383・東証1部)

日本精工(6471・東証1部) 

安川電機(6506・東証1部)

日本電産(6594・東証1部)

商船三井(9104・東証1部) 


(株式ジャーナリスト 天海 源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。