9月24日にeワラントジャーナルにて『9月末配当の時期が到来!買うのが本当に正しいのか? 』という記事を書かせていただきました。
その後、9月28日の権利付き最終売買日からの1週間、高配当株はどのような値動きをしたのでしょうか?
同期間の日経平均の動きと共に、検証してみたいと思います。
銘柄選択の前提条件
以下のようなルールで、銘柄を選択しました。
- 日経平均株価の構成銘柄
- 直近予想配当利回り(半期ベース)が2%以上の銘柄(2020年9月23日終値ベース)
- 3・9月期決算の銘柄
そしてこの条件にヒットしたのが以下の26銘柄でした。(9月24日の記事内で取り上げた銘柄群と同じになります)
- 1) 三井住友FG【8316】
- 2) 三菱UFJ FG【8306】
- 3) ENEOS HLDG【5020】
- 4) りそなHLDG【8308】
- 5) みずほFG【8411】
- 6) 住友商事【8053】
- 7) 三菱商事【8058】
- 8) MS&ADインシュアランスHD【8725】
- 9) セイコーエプソン【6724】
- 10)三井住友トラストHLDG【8309】
- 11)出光興産【5019】
- 12)長谷工コーポレーション【1808】
- 13)宇部興産【4208】
- 14)NTTドコモ【9437】
- 15)武田薬品工業【4502】
- 16)ふくおかFG【8354】
- 17)日本電信電話【9432】
- 18)KDDI【9433】
- 19)三井物産【8031】
- 20)SOMPO HLDG【8630】
- 21)松井証券【8628】
- 22)コンコルディアFG【7186】
- 23)東京海上HLDG【8766】
- 24)T&D HLDG【8795】
- 25)双日【2768】
- 26)スカパーJSAT HLDG【9412】
パフォーマンスの検証方法
上記銘柄について、2020年9月28日(月)の権利付き最終売買日の終値を100として、10月2日(金)までのパフォーマンスを検証しました。
※10月1日(木)は東証のシステムトラブルにより終日売買が停止中だったため、9月30日(水)の株価を引き継いで計算しております。
NTTドコモ【9437】は、期間中に親会社によるTOBのニュースが出たため、今回の検証からは除いています。従って、合計25銘柄での検証になります。
方法としては、高配当株バスケットをロングし、日経平均をショートした場合のパフォーマンスを測定しました。
配当落ちの影響
9月末で25銘柄の平均予想配当利回りが約2.4%でしたので、権利落ち日の9月29日(火)の価格に2.4%を配当相当額としてバスケット価格に上乗せして計算しております。
日経平均の方は、今9月末に配当相当額として0.6%程度が予想されていましたので、同じく9月29日の価格に0.6%を上乗せして計算しております。
検証結果
結果は下図の通りとなりました。

やはり高配当株は、期末の権利を取得したら失敗する傾向にあるという結果が証明されたのではないでしょうか。
率にして、指数比2%強の負けとなっております。
2%強の配当を狙いにいって、反対に5%強の下落を食らうという、まさに倍返しにあった格好になります。
そう考えると、約3カ月後に実際いくら受け取れるか分からない配当の権利を取得するよりも、期越えを待って、配当相当額以上に株価が下落したところを狙うのが良いでしょう。
しかし、前回の記事でもご紹介したように、株価が戻ったとしても短期的なものである可能性が高く、数カ月間、対指数でアンダーパフォームが続くかもしれません。
従って、短期目線の戦略として考えるのが良いでしょう。
狙うべきは権利落ち日の翌日
では、権利が落ちた後のどのタイミングで狙うのが良いのでしょうか?
下図をご覧下さい。

これは今回と同じ銘柄を対象に、2020年3月末の時の値動きをプロットしたものです。
如何でしょうか?
権利落ち日の翌日が仕込み時だと思いませんか?
3月の時は3月30日が権利落ち日でしたから、その翌日の3月31日の終値で高配当株を買っていれば、たった1日で指数比で4%程度利益をゲットできた試算になります。
では今回の9月末はどうだったでしょうか?
9月29日が権利落ち日でしたから、9月30日の終値に高配当株を買うことになります。
翌日の10月1日は東証のシステムトラブルにより取引が出来ませんでしたから、実際には10月2日の株価を見てください。
約0.3%程度にはなりますが、若干高配当株が指数比でアウトパフォームしているのが分かります。
12月末決算の銘柄も幾つかありますので、12月にもチャレンジしてみてください。
(eワラント証券)
* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。