値動きが魅力!eワラントの基礎と活用法

激動の2020年相場が間もなく終わろうとしています。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に端を発する株価急落(コロナショック)とその後の各国中央銀行の大規模金融緩和による急回復、そして米国大統領選挙を通過したことによる株価の急上昇と、非常に変動の大きな1年となりました。

しかし、来年2021年も市場の変動性(ボラティリティ)が非常に高くなることが予想されます。相場が大きく動くと考えるなら、対象となる資産にレバレッジ効果を伴って変動するeワラントが有利に働く環境となるかもしれません。eワラントは1日で数割、1週間で数倍となることも珍しくない金融商品です。過去には1カ月で100倍を超えるような値動きを記録したケースもありました。


値動きの大きさが魅力のeワラント

下表はeワラントの歴代上昇率ランキングトップ20(2011年8月11日~2020年12月21日)です。eワラントには満期日が設定されていますが、満期日までの期間のうち最も安く購入できた価格(売気配値)及びその日付とそれ以後に最も高く売ることができた価格(買気配値)及びその日付を表しています。

ランキング1位はコロプラ(3668)を対象とするコール型eワラントです。コール型のeワラントは対象とする相場(対象原資産)が上昇するほど値上がりを期待できるタイプのeワラントです。2019年の9月に開発を担当した「ドラゴンクエストウォーク」がヒットしたことでコロプラ株が急騰し、これによってコロプラ株を対象とするeワラントも急騰したのです。

オレンジでハイライトしてある部分は2020年に大きく上昇した事例です。実に12銘柄が2020年に上昇率ランキングトップ20にランクインしています。eワラントの値動きの元となっている対象原資産はそれぞれ異なりますが、2月中旬に安値をつけ3月中旬に最高値をつけたプット型eワラントであることがわかります。プット型eワラントとはコール型の逆で、対象原資産が下落するほど値上がりを期待できるタイプのeワラントです。3月のコロナショックで国内外の株価や通貨、商品など様々な相場が大きく下落したことで、複数のプット型eワラントが急騰しました。


eワラントの傾向と対策

ランキングで示したような大きな値動きがeワラントの最大の特徴です。ですが期待通りの投資効果を得るためには少しコツが必要です。ここではeワラントの基本や傾向を押さえつつ、それらを活かした投資戦略についてご紹介いたします。

eワラントには大きく分けてコール型とプット型の2つに分けられます。それぞれの銘柄には対象とする相場=対象原資産(株式や株価指数、為替など)があり、それらが上昇すると思えばコール型を、下落すると思えばプット型を選びます。ここまでは株式投資やFXと考え方は同じです。

違うのは、各銘柄に「満期日」と「権利行使価格」が設定されていることです。株やFXなどの投資商品であれば、予想が外れても(証拠金取引の場合は評価額がレバレッジの範囲内であれば)将来的に戻ってくることを期待して保有し続けることができます。一方、eワラントの各銘柄には「満期日」が設定されているため、保有し続けることはできず、満期日の相場水準に応じて自動的に決済されてしまいます。

その際の受取金額の算定に用いるのが「権利行使価格」です。コール型eワラントの場合、満期日における対象原資産の価格が各銘柄に設定されている「権利行使価格」を上回っていれば(プット型の場合は下回っていれば)、保有するeワラントの数量に応じて、その差分に該当する金額を受け取ることができます。一方で、満期日における対象原資産の価格が権利行使価格以下であれば(プット型の場合は以上であれば)、受取金は0となり、投資元本全額を失ってしまうことになります。ただし、証拠金取引ではないため投資元本以上の損失が発生することはありません。

満期前のeワラントの価格は「本源的価値」と「時間的価値」に分けることができます。「本源的価値」とは既に権利行使価格を上回っている部分を価格に換算したものを表します。したがって「本源的価値」は対象原資産の変動に合わせて変動します。一方、「時間的価値」とは「満期までに対象原資産が上昇(下落)するかもしれない」という期待値を価格に換算したものです。原資産が変動する可能性は満期が近付くにつれてどんどん低くなっていきますので、「時間的価値」は時間経過によって減少していくという特徴があります。そして満期日を迎えると「時間的価値」は0になります。コール型とプット型は時間経過で価格が減少するため、勝率はあまり高くないといえます。

その反面、eワラントは対象原資産が急変することで価格が加速度的に上昇するという特徴があります。そして、この特徴は満期までの期間が短く、相場水準が権利行使価格に近いときに、より強くなる傾向があります。

この傾向を活かして、対象原資産が大きく変動するだろうという直前に満期までの期間が短く、権利行使価格が相場水準に近いコール型又はプット型eワラントを買い付けるという投資戦略が考えられます。短い期間の間に原資産が大きく上昇するか、大きく下落するかをうまく予想することができれば、大きな収益を獲得できるかもしれない戦略と言えます。

その一方で注意しなければならないこともあります。対象原資産が大きく動くことを前提とした投資戦略ですので、予想とは反対に動いた場合はもちろんですが、相場があまり動かなかった場合でも損失が発生すると考えられます。相場の動きを予想するのは難しいですが、選挙など政治・経済イベントは注目している市場関係者も多く、内容次第では相場が大きく動く可能性があります。以下は2021年前半に予定されている重要な政治・経済イベントです。これらのイベントの前にeワラントを買い付けておき、相場の大変動に期待してみるのも良いでしょう(その他の注目イベントはコチラの記事もご参照ください)。

1/5    ジョージア州上院議員選挙(決選投票)
1月中旬  独キリスト教民主同盟(CDU)党首選
1/20    米大統領就任式
1/26-27   FOMC


(eワラント証券)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。