全体相場出直り時。焦ることなく銘柄選択を

株式市場は一足先に落ち着きを取り戻した

NY株式市場ではS&P500種指数が前日終値より7%以上変動すると、サーキットブレーカー制度が発動され取引が15分間中断される。この制度は3段階になっており、13%以上変動すると再び15分間取引が中断され、20%を超えるとその日の取引は強制終了する。NY市場のサーキットブレーカー制度は2013年に導入されたもので、投資家の動きが過熱してきた時に取引を一時中断することで過熱感を鎮め、冷静な判断を促すことに貢献する。ここまで4回の(第一段階の)下落時サーキットブレーカーが発動されているが、過去にないことで、その時点で多くの投資家は株価の先行きに不安を感じた。しかし、サーキットブレーカー第2段階に進んでいないことからもその鎮静効果はあったと判断できる。

金融政策面では、米FRB(連邦準備制度理事会)は国債などを買い入れ、市場に大量の資金を供給する量的緩和策を制限なく行い、日銀もこれまで年間6兆円としていたETF(上場投資信託)買い入れ上限枠を12兆円に拡大した。ECB(欧州中央銀行)もBOE(イングランド銀行)も過去にないスピードと規模の金融緩和策を発した。「金融危機に陥ることは絶対に避ける」という強い措置だ。2008年のリーマンショックによる金融危機から得た教訓は生かされている。結果、3月中旬まで見られた「狂ったような売り」は一旦収まっている。

新型コロナウイルスの感染拡大は現時点で欧州、アメリカ、(さらに日本で)鎮静化したわけではないが、株式市場はそれより先に落ち着きを見せているのだ。まずはこのことを客観的に認識する必要があるだろう。今後、V字回復するか?底這いの動きとなるか?現時点ではまだ不安要素も多い。しかし、目立った一段安とならなければ、その状態で一定の時間が経過すれば、投資家の買い意欲は戻ってくるだろう。過去の急落時には投資家が半減した例もなければ、完全撤退した例もない。


悪影響が限定的な非景気敏感内需株が選好されそうだ

極度の世界景気の落ち込みが想定されることから、景気敏感株の正反対に位置する内需株に物色の矛先が向かう公算は大きい。以下の通信株はその筆頭となりそうな存在だ。すでに安値からかなりの反発が見て取れ、驚いたことに年初来高値を更新した銘柄まである。

NTT(9432)

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KDDI (9433)

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NTTドコモ(9437) 

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もうひとつは「この状況を追い風にする一群」ということになるだろう。もちろんそれらも一度は全体相場の急落時に連れ安しているが、やはり目立った出直りがみられる。主には「買いだめ」の対象になる商品を展開している企業だ。

花王(4452)

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伊藤ハム米久ホールディングス(2296) 

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ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)

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(株式ジャーナリスト 天海源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。