医薬品株が狙い目か!?冬に向けて良い買い場かも?

皆さんは医薬品株と聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか?
昭和生まれの私からすると、「電力・ガス株」と並ぶディフェンシブ銘柄の代表格という印象です。

その背景として、かつては、

  • 薬は人間が生きていく上で必要不可欠なものであり、好不況に関係なく、常に需要がある。
  • 内需中心のビジネスモデル。

などが挙げられたと思います。

しかし、昭和から平成の時代を経て、令和になった今、日本の医薬品業界は変わってしまいました。
薬を作っている以上、好不況にあまり左右されないという点は変わりませんが、内需中心ではなくなりました。大手医薬品メーカーのほとんどおいて、海外売上高比率が約30%~80%まで上昇してきており、もはや国内中心企業ではなく、国際企業になっています。

またコロナウィルス流行によるワクチン開発の動きも加わったことにより、足元医薬品株は、1日の変動率としては依然小さいものの、中長期では強いトレンドが出るようになってきました。

そこで今回は大手医薬品株を取り上げて、値動きを検証してみたいと思います。


検証方法

以下の方法で検証してみました。

  • 検証期間:2020年1月6日~10月16日
  • 銘柄選定:時価総額順にトップ5を選定。
    中外製薬(4502),第一三共(4568),武田薬品(4502),アステラス製薬(4503),エーザイ(4523)
  • 検証方法:上記5銘柄で等比率バスケットを組成し、同期間のTOPIXのパフォーマンスと比較。


検証結果

下図をご覧ください。

コロナショックの影響で医薬品銘柄が買われ、6月には対TOPIXで+30%のリターンが出るほど、強いトレンドが出ておりました。
東証33業種中トップ3のパフォーマンスでした。

しかしここに来てトレンドが下向きになりつつあります。
10月16日時点で、約8%のアウトパフォームに留まっています。特に9月下旬からの下落が顕著で、ここ1カ月で約12%もTOPIXに対して、アンダーパフォームしております。
医薬品株のボラティリティから考えると、1カ月で10%を超えるパフォーマンス差というのは珍しいことになります。

幾つか理由は考えられると思いますが、

  • 循環物色の流れ(短期的に上がり過ぎていた)
  • コロナウィルス問題が沈静化したのではとの評価
  • 中外製薬(4519),第一三共(4568)が株式分割実施後から急落している

などが挙げられると思います。

1点目に関して。
確かに上がり過ぎていたものはいずれ売られるというのは当たり前のことかもしれません。
しかし、IPS細胞の発見以降、今後も創薬ビジネスは飛躍的な成長が見込まれています。
また世界の人口は増え続けている上に、平均寿命も先進国を中心に伸び続けています。その結果、薬の需要も今後格段に増えることになるかもしれません。

2点目に関して。
確かに足元「コロナウィルスってそこまで怖いウィルスじゃないんじゃないの?」という風潮が徐々に出てきているかもしれません。特効薬やワクチンは未だ無いにせよ、感染予防策の徹底と幾つかの対処療法がある程度確立されてきたことが大きいのかもしれません。
しかし、一般的には今から到来する冬シーズンに再度感染が増える可能性があると言われています。
そうなると再度医薬品株への資金流入が起きるかもしれません。

3点目に関して。
中外製薬が6月30日付で、第一三共が9月30日付で株式分割を行いました。
その結果、中外製薬が6月28日~10月16日の間に約26%、第一三共が9月28日~10月16日の間に約18%、それぞれ下落しました。
株式分割をすると何故下落するのかという点については、本記事の主旨とはずれますので割愛しますが、テクニカル的要因で短期的に下落している面もあるようです。

以上のことを踏まえると、来る冬シーズンに向けて日本の医薬品銘柄は、株価が調整局面にある今こそ、良い買い場にあると言えるかもしれません。


(eワラント証券 吉野 真太郎 )

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。