原油価格、再びマイナス原油の可能性もあり!?狙いは、最終取引日の数日前!?

先日4月20日にWTI原油先物市場において、-37.63ドルという史上初のマイナス価格で取引を終えたというニュースが記憶に新しいと思います。

メディア等では原油を貯蔵・保管しておくのに必要な保管料が一時的に急騰した上に、最終取引日を翌日に控えた取引量の少ない5月限先物だったということもあり、このような事態に陥ったという報道をしておりますが、果たして一時的なのでしょうか?

もうマイナス原油という事態は起きないのでしょうか?

下図をご覧ください。


これは、WTI原油先物市場における各限月間スプレッドの推移を表したものになります。(第一限月-第二限月において4月21日のデータが無いのは、第一限月であった5月限の最終取引日であったためです。つまり4月22日より限月が変わっています。)
これを見る限り、4月に入って期近の満期が近づくに連れて、第一限月-第二限月のスプレッドが徐々に拡大していき、4月20日のXデーに繋がったというのが分かるかと思います。

更に注目したいのは、期先の限月間スプレッドです。
一般的な保管料と金利水準で計算される程度の理論スプレッドしか開いておらず、スプレッドも安定的に推移しています。
これは原油市場で「コロナショックの影響は短期的に収束し、中期的には世界の経済は正常に回り始める」と考えられているとも言えます。

言い換えるならば、原油のフォワードカーブにおいて、全体的にスティープになっているのではなく、期近のところだけ急激にスティープになっているとも言えるのです。

では、4月22日より第一限月になった6月限は今後どのように推移していくのでしょうか?

それを考えるために、下の2つの図をご覧ください。

これは、第一限月であった5月限の3月23日~4月20日における推移と、新第一限月となった6月限の4月22日~5月19日における推移をそれぞれ表したものになります。(取引量の少ない最終取引日のデータは除いてあります。)

これを見る限り、既に足元の6月限と7月限の限月間スプレッドは-5ドル~-7ドル開いており、マイナス原油を記録した4月20日の数日前の水準と同水準のレベルにまで開いています。

これは一般的には想定できないスプレッド水準とも言えます。
コロナの影響で原油需要が乏しく、向こう1カ月で原油在庫が一気に減るとは思えないと市場で判断されている証拠にもなります。

しかし、この異常な程に割安に放置されている期近物を買ってリスクを取る投資家、投機家は一定数いますので、このままのスプレッドを維持したまま、残り3週間経つと、4月20日と同様なことが起こる可能性が高いとも言えます。(実需家とは異なり、彼らは現物で決済することはしないので、期近を売って、期先を買うというロールオーバーをしてくるためです。)

従って、第一限月と第二限月の限月間スプレッドを今後注視し、今と同程度のスプレッドが開いたままであれば、第一限月の最終取引日(6月限であれば5月20日)の2~3営業日前に、第一限月をショートすると急落により利益を得られるかもしれません。


(eワラント証券 マーケティング部ヴァイスプレジデント 吉野 真太郎)

※ 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。