商品市場が上昇している今、狙うべき出遅れ業種はここだ!

新型コロナウィルスの国内感染者数も大幅に減り、日本経済は徐々に元の状態に戻りつつあります。
しかし、東南アジア等での感染拡大の影響により現地の半導体製造工場で製造がストップし、半導体が供給不足になるなど、一部で部材価格が高騰する現象が起きています。

このようにモノの値段が最近急騰している背景として、未だ世界各地で工場が操業停止しているということが挙げられますが、そもそも原油や鉄、非鉄金属などの商品価格が世界経済の急回復と共に、足元で上昇し続けているという点も挙げられるでしょう。

図1は2018年1月~のCRB指数の推移を表したグラフになります。※1
コロナショックが始まった2020年初頭から急落していますが、実は直後の4月に底を打ち、その後はじり高の展開となっており、足元ではコロナ前の水準を20%強上回った値で取引されています。

この商品高の流れは今後も続くと言われており、その恩恵を受けやすい商社株や鉱業株などを買い推奨するレポートをよく目にするこの頃です。

しかし、本当に「商品高=商社株買い」という方程式が成り立つのでしょうか?
他にもっと恩恵を受けている業種は本当に無いのでしょうか?


どの業種が一番商品市況と相関性が高いのか?を検証

2018年1月~の東証33業種別株価指数とTOPIXの週次ベースのヒストリカルデータを使って、直近50週分のデータからCRB指数との相関係数を計算。
そして相関係数の時系列的な推移を検証し、足元で一番CRB指数と相関性の高い業種は何かを検証します。


検証結果

足元のCRB指数との相関の高さでランキングをつけると、図2の通りとなりました。

1位:ゴム製品、2位:輸送用機器、3位:卸売業となっており、見事に商社株に関連する卸売業が第3位にランクインしています。やはり、「商品高=商社株買い」という方程式は成り立つと言って良いでしょう。

上位3業種のCRB指数との相関係数の時系列的な推移を表したものが、図3~図5になります。

どの業種も安定的に高い相関係数で推移しており、足元において偶然相関係数が高いわけではないということが言えるでしょう。
従って、もし商品高が今後も続くという前提に立つならば、これらの3業種の株を買っておけば恩恵を受ける確率が高いと言えるでしょう。


今回の検証結果において最も意外だった点は何だったか?

図2の非鉄金属の欄を再度見てみてください。
足元での相関係数は0.04であり、CRB指数とほぼ無相関と言って良い状態になっています。

CRB指数の構成要素としてエネルギー分野に次いで、ウェイトの高いものが金属商品です。
従って、足元のCRB指数の上昇の背景には、当然金属商品先物が高騰しているという事実もあるわけで、本来であれば非鉄金属業の株価は、商品高に連れ高するべきであり、その結果もっと相関係数が高くなっていて然るべきだと言えるでしょう。
しかし、現実は相関係数が0.04であり、この事実は金属商品高の中、非鉄金属株が上昇していないということを示唆しています。

図6は非鉄金属株とCRB指数の推移を2018年1月~の期間で表したものです。
今年の春ごろから、CRB指数が上昇する一方で、非鉄金属株がほとんど上昇しておらず、相関関係が急に薄れていることが分かります。これが足元の相関係数を悪化させている要因と言えるでしょう。

では、非鉄金属株とCRB指数との相関性は過去一貫して低いのでしょうか?
図6からは、決してそのようには思えません。
図7をご覧ください。非鉄金属株とCRB指数との相関係数の時系列的な推移を表したものになります。


如何でしょうか?
むしろ相関性は高いのが通常であり、低くなっている足元の状況が異常ともいえるでしょう。
これは図2の「相関係数の平均値」のデータからも分かるかと思います。平均値は0.84となっており、過去において強い正の相関関係を安定的に記録していたと言えるでしょう。

では、何故足元で相関が低くなってしまったのか?

その理由は誰も分かりません。

しかし、何故そうなっているのかは分かりませんが、過去においては安定的に強い相関があったという前提に立つならば、いずれ両者の関係が元の強い正の相関状態に戻っていくと言えるでしょう。

つまり言い換えるならば、足元CRB指数に比べて出遅れている非鉄金属株が、今後上昇していく可能性があるとも言えるでしょう。


eワラントには非鉄金属株の商品もあります!

「そうとなれば、この機会にeワラントをやってみようと思うけど、個別株の商品なんてあるの?」と思っている方も多いかと思います。

安心してください。

eワラントには個別株を原資産とする商品も多数存在しており、非鉄金属業で言えば、三井金属鉱業【5706】住友金属鉱山【5713】住友電気工業【5802】の3社の株価を原資産とした商品があります。
これを機に、これらの銘柄のコール型ワラントを購入してみてはいかがでしょうか?


(カイカ証券 吉野 真太郎)

※ CRB指数とは、アメリカ、イギリスの商品取引所で取引されている各種商品先物価格から算出した商品価格指数であり、国際的によく知られています。以下の19品目から構成されています。

  1. エネルギー
    1. WTI Crude Oil(原油)【NYMEX】
    1. WTI Heating Oil(暖房油)【NYMEX】
    1. RBOB Gasoline(改質ガソリン)【NYMEX】
    1. Natural Gas(天然ガス)【NYMEX】
  2. 農産物
    1. Corn(コーン)【CBOT】
    1. Soybeans(大豆)【CBOT】
    1. Wheat(小麦)【CBOT】
    1. Cotton(綿)【CBOT】
    1. Sugar(粗糖)【CBOT】
    1. Coffee(コーヒー)【CBOT】
    1. Cocoa(ココア)【CBOT】
    1. Orange Juice(オレンジジュース)【CBOT】
  3. 金属
    1. Gold(金)【COMEX】
    1. Silver(銀)【COMEX】
    1. Aluminum(アルミニウム)【LME】
    1. Copper(銅)【LME】
    1. Nickel(ニッケル)【LME】
  4. 家畜
    1. Live Cattle(生牛)【CME】
    1. Lean Hogs(豚赤身肉)【CME】

※本稿は筆者の個人的な見解であり、カイカ証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。