外国人投資家は日本株を売っている!?ウクライナ戦争下での彼らの行動を徹底検証!

2/24にロシアがウクライナに侵攻してから、はや1カ月が経ちました。当初はロシア軍の戦力が勝っているため、早期決着で終わるものと思われていましたが、現実は泥沼の長期戦の様相となってきており、停戦・終戦の兆しは未だ見えておりません。
3/2にeワラントジャーナルへ投稿させていただきましたロシアがウクライナへ侵攻!今後どう立ち回るべきなのか?過去データと共に検証!でも言及したように、短期決戦なら下がったところは絶好の買い場になりますが、長期戦になるようなら一転売り場になると予想され、金融界も日々戦況に注目しているのが実際の所です。

このような中、日本の株式市場において圧倒的なプレゼンスをもつ外国人投資家は、ウクライナ戦争勃発後、どのような投資行動に出ているのでしょうか?
売っているのか?買っているのか?はたまた、様子見姿勢なのか?
東証が毎週公表している投資主体別売買動向のデータを用いて調べてみました。


外国人投資家は売り続けている!?

下の図1をご覧ください。
2019年1月から足元までの外国人投資家の売買動向と日経平均株価の推移を週次ベースで表したものになります。赤色の点線で囲った部分が今回のウクライナ戦争の期間に該当しますが、外国人投資家の売り越しトレンドが続いていることが見てとれます。
外国人投資家は、この戦争が長く続くと考えているのか?もしくは米国の金融引き締めの流れが株式市場に悪影響を及ぼすと考えているのか?
その理由までは分かりませんが、外国人投資家が売り続けているのは紛れもない事実です。


外国人投資家の裏で買っているのは!?

下の表1をご覧ください。
こちらは、ウクライナ戦争が勃発した2/24を含む2/25の週から3/25までの投資主体別売買動向を表したものです。(単位は、十億円)
これを見る限り、日経平均株価はウクライナ戦争が起こってから一旦は25,000円近辺まで下落するものの、足元では28,000円近辺まで戻ってはいます。しかし、外国人投資家は売り越しを続けており、5週間で合計2兆円近く売り越していることが分かります。
では、誰がこの間買っているのか?と言いますと、証券会社の自己勘定部門だったことが表から分かります。こちらも外国人とほぼ同額の約2兆円を5週間に渡って買い越しています。
つまり、足元の1か月は、外国人投資家の売りVS証券会社の自己勘定の買い、だったと言えるでしょう。


今後はどう考えれば良いか?

では、以上のデータを踏まえた上で、今後の相場との立ち向かい方ですが、一旦は様子見ムードで良いと思います。
私自身もかつて証券会社の自己勘定部門でトレーディング業務を行っていた経験から言わせていただきますと、確かにこれほど自己勘定部門が買い越すことは珍しいことですが、この金額を全て裸で(ノーヘッジ)保有することはまずあり得ません。自己勘定部門のトレーディングスタイルの特徴として、【⑴一時的な借入を行う事によって大きな金額の取引をすることはあるが、その裏では先物やオプションを駆使して必ずリスクヘッジを行っている。 ⑵長期目線でポジションを保有し続けることはほとんどなく、抱えたポジションは頃合いを見計らいながら徐々に解消してくる。】などが挙げられます。
従って、今後この買い越した現物株を売却してくることは間違いありませんが、それと同時にヘッジポジションの反対売買も行いますから、マーケットに対してはほぼ中立的(ニュートラル)と言って良いでしょう。

では様子見ムードから一転、アクションを起こすべくタイミングはどう判断すれば良いか?という点ですが、やはり外国人投資家の動向に注視すべきでしょう。
以前の記事でも取り上げましたが、何故外国人投資家の動きが相場に大きな影響を与えるのかと言いますと、【⑴売買金額が他の主体に比べて大きい。 ⑵買い方・売り方のスタイルが、指値を指して約定するのをじっと待つスタイルではなく、目標の株数を買い切る・売り切るまで、上値・下値をどんどんとってくるような売買スタイルのため市場に与える影響が大きい。】などが挙げられます。

前述の図1から分かるように、2021年初めに始まった外国人投資家の売買動向の下落トレンドが今なお続いています。この流れが止まり、上昇トレンドに変わる時が、買い出動のターニングポイントになることでしょう。
ここで重要なのは、買い越しになる≠上昇トレンドになるという点です。
数字自体は売り越しだとしても、その売り越し額が減ってくれば、売買動向としては上昇トレンドになり得ます。
従って、図1でいうところの13週移動平均、26週移動平均が上向きになるのを待つことが肝要です。


(カイカ証券 吉野 真太郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、カイカ証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。