安倍自民党総裁3選で動きだす銘柄

「もっとも株価インパクトを持つのは“防災対策”だ」

 9月20日、自民党総裁選投開票が行われ、安倍晋三候補553票(69%)、石破茂候補254票(31%)で安倍候補が圧勝し自民党総裁選3選を決めた。この結果については事前の予想通りでサプライズはない。ただ、「安倍圧勝観測」が拡がるにつれ、日経平均株価が上昇していたことには注目しておくべきだろう。株式市場は安倍総裁の3選、つまり、安倍首相の続投を望んでいたということだ。ここではまず、安倍総裁が総裁選討論会で発言していたことを基に、今後の物色動向を考えていきたい。

【安倍総裁の発言(要旨)】

  • アベノミクスについて
  • 「異次元金融緩和をずっとやっていいとは思っていない。(金融緩和の出口への道筋は)私の任期のうちにやり遂げたい」

  • 消費税について
  • 「2019年は予定通り(消費税を10%に)引き上げる」

  • 社会保障制度改革について
  • 「65歳以上の雇用継続を可能にしていく。年金の受給開始年齢を選択可能にする仕組みをつくりたい」

  • 憲法9条改正について
  • 「憲法9条改正は自民党結党以来の大きな課題だ。まずは与党で賛成を得られる条文をつくる」

  • 防災対策について
  • 「防災、減災、国土強靭化のため、緊急対策を集中して講じたい」

 この中で、個別銘柄の株価に対するポジティブインパクトを含んでいるのは「防災対策」だと思われる。大規模な自然災害が連続して発生している今、この取り組みは喫緊の課題と言えよう。基礎・地盤改良・法面など特殊土木工事が主力の建設会社「ライト工業(1926)」。橋梁・道路などコンクリート構造物補修の最大手「ショーボンドホールディングス(1414)」は一段高を見通せる環境かもしれない。

「機械、鉄鋼、非鉄金属、金融セクター主力株の上昇が目立つ」

 個別銘柄に対する要因だけでなく、日経平均株価が年初来高値をうかがうまで上昇し、TOPIXも一時の低迷から抜け出す動きだ。全体的に好感されていることは言うまでもないだろう。まずは「買い戻し」が先行しているが、日本株への「見直し買い」が含まれていないとこのようにはならない。これまで株価が低迷していたセクターにも光明がさしている。この中で「機械」、「鉄鋼」、「非鉄」、「金融」セクターの主力株にそれが目立つ。高値圏にある銘柄はさらに高値を追い、安値圏に沈んでいた銘柄も出直りの様相を見せるものが多い。各セクターの流動性上位銘柄の動きには注目をしておきたい。

(機械)
ダイキン工業(6367)
コマツ(6301)
(鉄鋼)
JFEホールディングス(5411)

(非鉄金属)
住友金属鉱山(5713)

(金融)
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) 
東京海上ホールディングス(8766)
(株式ジャーナリスト 天海 源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。