年末までの相場は出遅れセクターに注目

 日経平均株価は1月23日の2万4,129円を高値に3月26日の2万347円の安値まで15.6%調整した後、23,000円をトップに長らく推移していたボックス圏を突破した。
 米中貿易摩擦やトルコ問題などリスク回避姿勢が強まった際も日経平均株価は底堅く推移した。この背景はバリュエーション面からの下方硬直性と考えており、前回コラムもこの点を指摘しており、「押し目買いスタンスで臨むべき」としていた。

 今回も需給と業績面のアップデート、有望セクター、年末までの日経平均の推移を考察したい。
 需給面は年初から外国人投資家が年始から現物で約4.5兆円、先物でも約4.兆円と大幅に売り越している。一方、個人投資家は日銀と共に外国人の売りを吸収している。個人投資家の買いの特徴として逆張りが多く、外国人投資家の売りで大幅下落する週に買い越し、株価が上昇すると売り越しを繰り返している。 この背景はMRFの資金滞留動向をみると個人投資家に押し目買いできる資金が潤沢にあることがわかる。MRFは証券口座の資金で下落時にフレキシブルに対応できる特徴がある。今後も外国人投資家の大幅売り越しの際、下値を支えた立役者だ。個人投資家の傾向として毎年10月半ばから節税売りのため売り越しになることが多く、買い支えを行う主体が減ってしまう可能性に留意したい。 業績面では今期期初予想は▲4.2%から1Q決算▲3.6%(いずれも日経225採用企業の最終利益前期比)と若干の上方修正となった。昨年の同時期と比較すると小幅な上方修正に留まった印象だが、進捗はまずまずであった。為替分の上方修正だけでも5%程度見込んでいるため、2Q以降の決算発表時の上方修正に期待が集まろう。
 昨年に比べると1Q決算時の上方修正は少なく、主な上方修正セクターは鉄鋼・非鉄、エネルギー資源、下方修正セクターは電力・ガスであった。鉄鋼・非鉄セクターは活況な黒鉛電極の市況を受けたこと、電力・ガスは足元の資源価格の上昇を業績予想に織り込んだ。
 期末にかけて上方修正が期待できるセクターとして想定為替レートから円安方向に大きく乖離している自動車・輸送機、豊富な受注残と単価上昇の恩恵を受ける建設・資材などに注目しておきたい。 需給と業績から見る年末までのポイントは前回と変わらず「外国人投資家の出動」、「業績の上方修正の推移」に注目点。年末までの一段高を期待するのであれば外国人投資家の買いに期待したい。
 その際、物色したいセクターとしてピークから大きく売り込まれた「FA・半導体」に着目している。中国や韓国などの需要地で受注が減っていることを受け、来期以降の業績懸念が高まっているが、株価下落ですでに織り込まれていると考えている。加えて、1Q決算は単価増なども奏功し、業績の高進捗が目立つため、今期の業績上方修正に期待される。
 株価の下落によりバリュエーションの修正がおこっているため、PERで割安感が目立つ銘柄も多い。年末高を予想するのであればバリュエーション面で魅力のある「SUMCOコール147回」「アルバックコール20回」などの半導体関連を検討してみてはいかがだろうか。

(こころトレード研究所 所長 坂本 慎太郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。