徹底検証!「SARSの事例を考えれば、3カ月後が絶好の買い場!?」は正しかったか?

1月24日のeワラントジャーナル内で「SARSの事例を考えれば、3カ月後が絶好の買い場!?」という記事を掲載させていただきました。

その後、3カ月経過しました。
SARSの時と比べて、今回の新型コロナウィルス(COVID-19)ショックにおいて、株価の推移はどうなっているのでしょうか?

検証してみました。


検証方法

  • SARS:2002年11月18日をTとしてT+160までを追跡
  • COVID-19:2019年12月30日をTとしてT+160までを追跡
  • 分析をする株価は日経平均、NYダウ平均の2種類
  • 両指数とも、T時点の株価を100として標準化して計算

SARS、COVID-19ともに初めて症例が確認された日(近似値)の翌営業日を基準としております。


検証結果

下図をご覧ください。
【図1】はSARSの時、そして【図2】が今回のCOVID-19の時のグラフになります。

如何でしょうか?

特徴を挙げるとすれば、以下の点になります。

  1. 両グラフとも、 T+ 60~80営業日あたりで大体、株価は反転の動きとなっている。
  2. SARSの時と比べて、COVID-19の方が株価へのインパクトが大きかった。具体的に言えば、SARSの時は、最安値まで約10%程度の下落だったのに対して、COVID-19のケースだと約30%以上の下落を一時記録したことになる。
  3. 両指数の値動きの相関性がSARSの時と比べて、非常に高いとも言える。

まず1についてですが、営業日ベースでの60~80営業日後ですから、「3カ月後が買い場」というのが、やはり今回も正しかったのかもしれません。

しかし2に関してが今回のケースでは厄介だったと考えられます。
反発した後、ボラティリティも下がった今だからこそ言える話ですが、3月末の安値時点では「日経平均1万円説」もメディア等では騒がれていましたから「さあ、買い場の到来だ」とは、なかなか思えなかったのではないでしょうか?
株価の水準ではなく、「発症から3カ月」というキーワードをしっかり順守された方々は利益を享受できたのではないでしょうか?

最後に3に関してですが、これはSARS当時と比べて、グローバル化・IT化が進歩した故のことだと推察されます。例えば、今では感染者数の推移や経済へのインパクトなどの報道が、世界に同時に伝わるわけですから、他国の株価同士の相関性が高くなるのも納得できるかもしれません。


今後について

SARSのケースを前提に考えるならば、緩やかに株価が元の水準に戻っていくことが予想されます。足元のメディア等の報道で、中国、韓国、欧州諸国で徐々に経済活動が再開され始めたというニュースが流れ始めたのも、その予想を裏付けるでしょう。

この流れでいけば、夏場にはWHOによる終息宣言もあるかもしれません。(SARSの時は2003年7月5日に終息宣言が出されました)

しかし第2波の襲来、冬に再発、というシナリオも十分考えられますので、その点はご注意していただきたいと思います。

そして、もし 第2波が襲来あるいは冬に再びウィルスが流行するようなことがあれば、今度こそ「発症から3カ月後」を順守ですね!


(eワラント証券 トレーディング部ヴァイスプレジデント 吉野 真太郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。