忘れた頃にやってくる「中国動向」に目を向ける

 3月5日に年に一度の中国の全国人民代表大会(全人代)が開幕する。その前々日、3月3日には中国人民政治協商会議(中国共産党、中国国民党革命委員会、中国民主同盟、中国民主建国会など各党派、各団体、各界の代表で構成される全国統一戦線組織の会議)もある。今年の秋には5年に一度の中国共産党全国代表大会(今回は第19回党大会)が控えており、指導部の全面入れ替えも見込まれていることから、ひときわ注目されるものとなっている。今年の中国はここから先(5年)の政策が見えてくると考えられる。その意味でも、3月5日に李克強首相が行う「政府政治活動」の内容は是非ともチェックしておきたい。米国に対中国色を強くするトランプ政権(1期4年、最大2期8年)が誕生した。この中で、中国はどのような路線を選択し、どのようなメッセージを世界に発信するのか・・・。今回の全人代→中国共産党第19回党大会では軍事面でも経済面でもアメリカを意識した内容になるものと予想される。

 中国の2016年のGDP成長率目標が前年比+6.5%~7.0%の幅のあるものだったのに対し、2017年は「+6.5%程度」とやや幅が縮まった目標が設定されるとされている。もちろん、「中国の統計(実績)はもともと信用度が低く、設定される目標値には大きな意味はない」との見方も根強くある。中国の経済動向については電力消費と鉄道貨物輸送量と銀行新規融資を合成した「チャイナ・モメンタム・インジケーター」という指標が信頼される。別名「李克強指数」と言われ、李克強首相自身が「GDP推移は信頼できないけどこの3つのデータは比較的信頼できる」と述べたとされている。

「中国公共投資増大となれば日本株の一部に恩恵」

 中国では住宅・不動産市場では過剰流動性によるバブル的価格高騰が散見され、潜在的なインフレ圧力が存在する中において、金融引き締めに移行する可能性もある。そうすると成長手段の一手としては、やはり「公共投資」が浮かび上がってくる。すでに景気てこ入れとして公共投資を活発化させている気配はあるものの、さらにということであれば、日本株にも恩恵を受けるものがでてくるのは当然だ。

 まずは建設機械株だろう。中国ローカルメーカーとの競争にはなるものの日本メーカーの存在感は米キャタピラーとともに圧倒的だ。「コマツ(6301)」、「日立建機(6305)」、「住友重機械工業(6302)」の大手建設機械株には追い風となるだろう。足元、持ち高調整の売りに押されたところがチャンスになるかもしれない。川上産業にも追い風となるが、なかでも鉄鋼株には注目できそうだ。「新日鉄住金(5401)」、「JFEホールディングス(5411)」は、中国の鉄鋼企業の生産設備削減、在庫調整によって見直されているセクターでもある。多くの投資家がもっているイメージよりも足元の株価の推移は強いと言えそうだ。もうひとつ、中国鉄道車両企業に鉄道ブレーキシステムを納入している「ナブテスコ(6268)」にも注目してみたい。2月10日に直近3ヵ月の実績である10-12月期(4Q)の連結経常利益が前年同期比59.9%増の85億円に拡大し、売上営業利益率は前年同一期間の8.4%→9.8%に改善したことから株価が急伸、その水準を維持できるかどうかが焦点の銘柄だ。

(株式ジャーナリスト 天海 源一郎)

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