応用範囲広がりそうなドローン

ドローンに関わる120以上を超える企業、団体が出展した国際展示会「Japan Drone 2017」が、3月23日から3日間にわたって千葉市幕張メッセで開催された。来場者数9,603名に及んだという。ドローンの民生分野での活用を推進する一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が主催するこの展示会は、国内外の最新事情を知ることができる、年に一度の大イベントである。

ドローンは、2015年に「元年」と言われて株式市場でもテーマとして認識された。秋田県仙北市、千葉市が特区に選定され実証実験を認められ、12月にはドローンの規制を盛り込んだ航空法の改正がなされた。この規制がはっきりしたことで、ビジネス利用がしやすくなった面があり、セコムが警備サービスへの利用を発表、ドローンによる配送の実験も行われた。そこから2年が経って、ドローンのビジネス利用はさらに現実的に進んできている。

「Japan Drone 2017」では、昨年に比べてドローンの機体の展示が減り、ドローンを使ったサービスの紹介にスペースが占められていた。

今回目を引いたのはオフィスの中を飛ぶという見た目がちょっとソフトなドローンだ。総合ビルメンテナンスの大成では、仕事の一環としてテナントから夜間警備などの要請を受けるが、人手が足りず受託できなかったため、ドローンの活用を思いついたと言う。ブルーイノベーション、NTT東日本と組んで、ドローンサービスT-FRENDを出展した。働き方改革として残業せずに退社を促したりもするそうだ。オフィスの中を飛ぶということで、この機体はGPSを使わない。機体のカメラで撮影しながら自分の位置を特定し、自律飛行するという。

この自律飛行の技術はドローンのシステム開発などを手掛けるブルーイノベーション社がリコーや東京大学と共同開発したものだ。2つのカメラを持ち、それによって距離を測り自分の位置を推定することが可能になっている。また、この2つのカメラの画像から3次元地図を作製、逐次更新していく。これによって、新しい障害物が現れても回避できるようになったそうだ。

GPSを使わないで済むというのは、室内でも飛ばせること、橋梁やトンネルのようなGPSがうまく機能しにくいところでの作業ができるというメリットがある。高層ビル街などでも建物に反射してしまうので、GPSはけっこう使えないものだ。また、障害物回避というのも大事で、例えばあらかじめ作った地図上には無かった樹木が伸びてきたような場合はこれまでの方式ではぶつかってしまったそうだ。

また、ブルーイノベーションは、国土交通省、東京大学と研究開発を進める「物流用ドローンポート」の実証実験も紹介。これは買い物弱者対策として、長野県伊那市で道の駅南アルプスむら長谷から長谷高齢者専用住宅まで配送を行った、「山に港を」もってくる、物流の実験である。

そのほか、ドローンの活用でよく知られているのはコマツで、ドローンが上空から現場をスキャンして建設現場などの地形の詳細な3D地図を作成し基礎工事を自動化すると言うもの。従来なら2人で1週間程度かかった地形データの作成を1〜2時間に短縮することができる。警備分野でセコム、綜合警備保障、また農業分野での応用も進んでいる。

夢から実現段階に入りテーマとしての話題性は薄れたが、ドローンの関連技術は着々と進んでいて今後も応用範囲の広がりなどが楽しみな分野である。

(フリーアナウンサー/証券アナリスト かのうち あやこ)

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