意外に知られていないイールドスプレッドとは?イールドスプレッドを使った投資戦略をご紹介します!

突然ですが、株式益利回りという言葉をご存じでしょうか?

え?PER(株価収益率)ではなくて?

そうなんです。PERという言葉は色々な投資本などで紹介されているため認知度は高いのですが、株式益利回りという言葉になると、認知度が極端に低くなります。

しかし、全く難しいことはなく、単にPERの逆数のことになります。つまり計算式で言うならば、株式益利回り=1/PERということになります。
では、このような数値に一体何の意味があるのかを考える前に、まずはPERについておさらいしてみましょう。

PERは、PER=株価/1株あたりの利益で計算できます。つまり今の株価が企業の稼ぐ利益に対して何倍の水準で取引されているのかを表したものになります。
この数字が高ければ(低ければ)、株価は割高(割安)と判断されることになり、とても分かりやすい投資尺度であるため広く普及しています。

一方、株式益利回りは、株式益利回り=1/PER=1株あたりの利益/株価で計算できます。つまり、投資する際の元本に相当する株価に対していくらのリターンがあるのかという投資尺度になります。
ただし、債券投資や不動産投資における利回りと異なり、投資家が実際に受け取ることができる金額は、1株あたりの利益のうち、配当に回される部分だけにはなります。しかし、配当に回されない部分も将来への投資に使われることになるため、広義の意味で株式投資利回りと呼ぶことができるでしょう。

以上の知識を踏まえた上で、現在の株式市場が債券市場と比べて割高なのか割安なのかを判断する尺度があるのをご存じでしょうか?
長期金利(10年国債利回り)から株式益利回りを差し引いたイールドスプレッドという尺度になります。
イールドスプレッドの値が大きければ大きいほど(低ければ低いほど)、債券に対して株式が割高(割安)という判断になります。

米国では足元長期金利が急上昇し、株式へ投資するよりも国債を買ったほうが割に合うという考えも出始めています。このように株式市場と債券市場とは常に表と裏の関係にあり、両者の利回りを比べることによって、どちらの市場に投資をすべきなのかを知ることは重要な意味を持ちます。

そこで今回は米国のイールドスプレッドについて検証してみたいと思います。

下の図1をご覧ください。
こちらは2011年からの米国における長期金利、S&P500の益利回り、イールドスプレッドの推移を月次ベースでグラフにしたものです。

長期金利と益利回りが連動して推移していることが分かります。
これは、1株あたりの利益が減少(増加)=益利回りが低下(上昇)=株式を売って(買って)債券を買う(売る)動きへ=長期金利が低下(上昇)というサイクルになるためと考えられます。
従って、この前提に立てば、イールドスプレッドは常に一定の数値を推移するはずなのです。
しかし実際はそうはなっていないのが分かるかと思います。2011年間だけで見ても、-6%-2%のレンジを行ったりきたりしています。
言い換えるならば、株式が割安(割高)で、債券が割高(割安)というタイミングがそれなりに存在するいうことになります。

イールドスプレッドを使った戦略をご紹介!

この習性を利用して、株式を買うタイミング、売るタイミングを判定できないか?と考え、ひとつ戦略をご紹介したいと思います。
まずは、図2をご覧ください。
こちらは2011年からのS&P500、イールドスプレッドの推移を月次ベースでグラフにしたものです。

図を見ているだけでは正直、何かしらの法則を見出すことはできません。
そこで、イールドスプレッドの原点(=イールドスプレッドが高ければ(低ければ)株式は割高(割安))に立ち返り、イールドスプレッドが低い(高い)時に株式を買う(売る)という単純な戦略を検証してみることにしました。

検証方法

検証方法の内容は以下の通りです。

  • 取引対象はS&P500。
  • データは2011年1月からの月次データを使用。
  • イールドスプレッドが-4.5%以下になったらS&P500を買い、-4.5%以上に上昇した時点でポジションを閉じる。
  • イールドスプレッドが-1.5%以上になったらS&P500を売り、-1.5%以下に低下した時点でポジションを閉じる。

バックテストの結果は?

検証結果は表1の通りです。

勝率を高めるために、トリガーとなる条件をかなり厳しめに設定したために、約11年半で5回しかトリガーにひっかかることはありませんでしたが、パフォーマンスは買いパターン、売りパターンの両方ともプラスとなりました。特徴としては、1回あたりのリターンが大きいことです。そのため、合計5回の取引で約+45%の収益を確保しています。1回あたりのリターンが大きいのは、設定したトリガー条件がかなり厳しい数字であるため、この条件にヒットする=株が急落(急騰)している、もしくは長期金利が急騰(急落)しているということに繋がっており、その反動による戻り相場が大きな収益を生んでいるためと思われます。

短い期間で大きなリターンを生むeワラントは最適な道具!

以上、長々と説明してきましたが、1年を通しても中々発動しない戦略にはなりますが、勝率が高く、かつ期待収益も大きいため、発動した時はぜひチャレンジするべき戦略です。特に売りの場合は、1回あたり1か月しかポジションを保有していないという結果となっており、投資期間が短いという特徴もあります。となれば、eワラントの出番です。投資期間が短いので、時間経過による価格の下落を最小限に抑えることができる上に、レバレッジが効いています。例えば、約10倍のレバレッジがかかっているeワラントを利用すれば、平均リターンが+5.6%ですから、約+56%のリターンが見込めることになります。手軽なレバレッジ商品としてのeワラントをぜひご活用ください。


(カイカ証券 吉野 真太郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、カイカ証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。