政治イベント盛り沢山!6月までの予定をチェック

米軍のシリアへの攻撃や米朝関係の緊張の高まりを受けて、市場を取り巻く不透明感はより一層高まっているようです。北朝鮮が次に核実験を行ったり、米軍が大胆な行動に踏み切ることがあれば、相場は大きく変動するかもしれません。しかし、それらがいつ行われ、どのような結果がもたらされるかは不確定要因が多く、一般の投資家がそれらを把握し、収益機会とするには困難と言わざるをえません。

逆に、予定が決まっていて、その結果導かれる選択肢がある程度限定されているイベントであれば、専門家でなくとも予想が立てやすく、予想が的中すれば大きな収益を得ることができる可能性があります。そこで本レポートでは、6月までに予定されている相場を大きく動かすかもしれないリスクイベントの予定とその中でも特に注目しておきたいイベントの内容についてご紹介いたします。

6月までのイベントスケジュール

4月後半~6月までの主な政治イベントは下表の通りです。各国の国政選挙が集中していたり、各国首脳の外遊・会議が予定されていたりとビッシリ予定が詰まっています。また、利上げを進めている米国やテーパリングの噂が出てきているEUの金融政策発表にも注目をしておいたほうがよさそうです。

4月 23日 フランス大統領選挙 第一回
27日 日銀金融政策発表
27日 ECB政策金利発表
27~28日 日露首脳会談
5月 3日 FOMC 政策金利発表
5日 米国雇用統計
7日 フランス大統領選挙 第二回
9日 韓国大統領選挙
11日 英中央銀行政策金利発表
11~13日 G7 財務相・中央銀行総裁会議
19日 イラン大統領選挙
25日 OPEC総会
26~27日 G7 サミット
6月 2日 米国雇用統計
8日 イギリス下院選挙
8日 ECB政策金利発表
11日 フランス下院選挙 第一回
14日 FOMC 政策金利発表
16日 日銀金融政策発表
18日 フランス下院選挙 第二回

注目イベント

・フランス大統領選挙(第1回:4/23、第2回:5/7)
フランスの大統領選挙においては、第1回の投票で過半数の表を獲得できない場合に、第2回として上位2候補による決選投票が行われます。本稿執筆時点での最新の世論調査では、独立系のマクロン氏と極右政党のルペン氏を中道右派のフィヨン元首相と極左政党のメランション氏がわずかな差で追う展開となっているようです。反EUの立場をとるルペン氏やEU懐疑派のメランション氏の政権誕生ということになれば、今後のフランスのEU離脱が想起されるかもしれません。

フランス大統領選挙に関するレポートはこちらもご確認ください。

・イラン大統領選挙(5/19)
現職の保守穏健派ロウハニ大統領が再選を目指して立候補の届出を行いました。国際社会との対話を掲げて当選したロウハニ大統領は、核開発の制限に応じ、経済制裁の解除を実現しましたが、経済復興のスピードが思わしくなく、国民の不満が高まってきています。国民が引き続き穏健路線を支持するのか、強硬路線に回帰するのか注目が集まります。仮に保守強硬派が政権を奪取することになれば、ロウハニ政権下でなされた核合意の撤廃がなされ、中東情勢がさらに混迷を深める可能性があります。

・OPEC総会(5/25)
昨年11月に合意された、半年間の原油減産が延長されるかどうかが注目されます。減産合意を受けて、原油先物価格は1バレルあたり50ドルを超える水準まで回復をしました。2018年に計画されている、国営石油会社サウジ・アラムコの上場に向けて原油価格を維持したいサウジアラビアとしては、減産延長に前向きな姿勢を示しています。しかし、価格維持のため合意した水準以上の減産を続けているサウジアラビアとしても減産延長は簡単にできる決断ではないでしょう。総会までの間に、他のOPEC加盟国や非加盟産油国の出方を探る展開となりそうです。減産終了となれば、需給バランスの悪化が懸念され、原油相場は再び下落するかもしれません。

・G7 サミット(5/26-27)
トランプ大統領就任後初めてのサミットが5月に実施されます。トランプ政権によって懸念される保護主義の高まりがサミットにどのような影響を与えるかが注目されます。また、気候変動問題もテーマにあがる可能性があります。トランプ大統領は選挙戦中、パリ協定からの離脱を公言しており、同協定を支持する他のG7 首脳との間で亀裂が明らかになる可能性があります。いずれにせよ、良くも悪くもトランプ大統領が話題の中心となるサミットになりそうです。

・イギリス下院選挙(6/8)
4/18にメイ首相は緊急声明を発表し、下院を解散し6/8に総選挙を実施する意向であることを明らかにしました。EU離脱に向けて、議会運営をスムーズに行える政権基盤の獲得を目的としているようです。解散の実施には議会の3分の2以上の承認が必要ですが、野党労働党も総選挙を歓迎する考えを表明しており、メイ首相の意向どおり解散総選挙が実施される見込みです。メイ政権は域内無関税などの特権を定めたEU単一市場からの完全撤退などのいわゆるハードブレグジットの方針を抱えていますが、労働党などの野党勢力は一定の結びつきを維持したソフトブレグジットを主張しています。現在の英国下院では定数650のうち与党保守党が330と過半数をわずかに上回る状況で、今後の離脱方針の確定に向けて安定多数の議席確保が目標となります。現在の支持率では与党が大きく支持率で上回っているとの報道もありますが、メイ首相の公算どおり与党が大勝できるか、まさかの敗北となるのか、痛みわけになるかなどのシナリオ別に投資方針を考えてみるのも良いでしょう。

・FOMC(5月:5/2-3,6月:6/13-14)
FRBは年内にあと2回の利上げを計画しています。利上げが行われるとすれば、併せて議長会見が予定されている6月、9月、12月のいずれかという見方が一般的ですが、フェデラルファンド金利先物市場に織り込まれている直近6月利上げの可能性は4/17時点で約50%と、まさに五分五分となっています。一方、トランプ大統領は米紙のインタビューで「低金利が好ましい」と語ったとされており、FRBに釘を差した形です。イエレン議長が積極的な利上げ姿勢を継続して示すのか、それとも自身の留任を仄めかしたトランプ大統領に忖度する形で利上げペースが鈍化するのかで債券相場、為替相場が大きく変動する可能性があります。6月利上げの可能性を探るためにも、雇用統計等の経済指標の発表や5月のFOMCの結果、FRB幹部のコメントには注目をしていたほうが良いかもしれません。

(eワラント証券 投資情報室次長 多田 幸大)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

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