新生・東京市場の最出遅れセクターはメガバンクだ!

アベノミクスの成果には疑いの余地がない

 足元の株高は、アベノミクス5年間への高評価がある。10月22日に行われた衆議院選挙でも自公で300を超える議席をキープした。例の「モリカケ問題」や野党再編による懸念を完全に払しょくしたものと見ていいだろう。安倍政権がこれからも続いていくことを市場は歓迎している。
アベノミクス5年間の諸指標の変化は以下にある。

実質GDP成長率
0.9%(2012年度)→ 1.3%(2016年度)
完全失業率
4.3%(2012年12月)→ 2.8%(2017年8月)
有効求人倍率
0.83倍(2012年12月)→ 1.52倍(2017年8月)
実質賃金上昇率
▲1.3%(2012年10-12月)→ ▲0.1%(2017年4-6月)
全国コアCPI上昇率
▲0.2%(2012年2月)→ +0.7%(2017年8月)
ドル円相場
84円80銭(2012年12月25日)→ 113円~114円(直近)
日経平均株価
10,080円12銭(2012年12月25日)→ 22,000円近辺(直近)

 日銀によるコアCPIの目標値(2%)は達成されておらず、実質賃金上昇率も依然マイナスのままだ。しかし、改善に向かっていることは一目瞭然。とくに後者については10月26日の経済財政諮問会議で安倍首相が「賃上げは企業への社会的要請。3%の賃上げが実現するよう期待する」と表明した。首相による事実上の賃上げ要請は、これで5年連続となる。ただ、労使が話し合う賃上げ水準について、具体的な数値をあげるのは異例のことだ。これを後押しするために「予算、税制、規制改革とあらゆる政策を総動員する」との考えも示している。

メガバンクの新たな取り組みに審判が下る

 この状況下において、明確に動きに変化がでてきたセクターがある。それは「銀行セクター」だ。メガバンク3行のここ三か月の株価チャートはいずれも急上昇している。今年央までは、全体相場が良化しても反応薄だったが足元はそうではない。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

三井住友フィナンシャルグループ(8316)

みずほフィナンシャルグループ(8411)

 折しも、三菱UFJフィナンシャル・グループが、三菱東京UFJ銀行の店舗の最大2割程度の削減を検討。みずほフィナンシャルグループもIT化などで今後10年で1万9千人分の業務量を減らし、組織のスリム化で収益力を高めると発表したところだ。メガバンクの取り組みを株式市場がどのように評価するのか興味深い。

 銀行セクター全体の動きを見る意味で「東証銀行業株価指数連動型上場投資信託(1615)」の5年週足チャートも確認しておきたい。異次元金融緩和直後の2013年春、トランプラリー直後の2016年12月末とほぼ同水準にあるものの、2015年の高値からは随分と下に位置している。「最出遅れセクター」と表現していいのだろう。

東証銀行業株価指数連動型上場投資信託(1615)

(株式ジャーナリスト 天海 源一郎)

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