新興国市場:トルコリラは短期的に戻し基調。南アフリカランドも連れ高か

 トルコリラ円は下げ止まり後、堅調に値を戻しています。これを受けて、同じく新興国通貨として物色される南アフリカランドも上昇に転じています(図1)。両通貨とも超短期的には上値期待が持てるかもしれません。そのきっかけはトルコ中央銀行による政策金利の引き上げ(13日。17.75%→24.00%)であったと思われます。ただし、トルコは先週21日、中期経済計画(3年。アルバイラク財務相が発表)を発表していますが、市場では未だにこれを咀嚼できていないようです。この中期経済計画を評価できる点・懸念される点に分けてみましょう;

<評価できる点>

  • 向こう2年(2020年まで)で経済の安定化に尽力。
  • 財政規律を重視。(アルバイラク財務相「入札が開始していない(インフラ)プロジェクトの凍結」など)
  • 高付加価値産業の育成など、経済構造の転換を図る。(利幅の改善/過度のEU依存経済からの脱却が可能に)

<懸念される点>

  • 中期経済計画そのものの実効性が担保されていない。
  • 数値的目標やロードマップ(進捗)の提示、それらに伴う制限の範囲などが全く規定されていない。(今後の対外債務に対する支払い余力に関する情報開示/支援体制を含む)

  • (インフラ)プロジェクトはトルコ経済急成長の柱でもあったことから、この凍結により、リセッション入りを宣言する可能性が高くなった(図2・図3)。(ただし、これが遵守されれば財政規律は確保される)

<結論>
 利上げ決定後の値動きからすると、この先も、短期的なトルコリラの上昇が続くかもしれません。しかし、中・長期的には脆弱な経済状況が継続すると思われ、下値圧力は続くのではないでしょうか?再びトルコリラが下落に転じるとすれば、リスク回避の動きから既にリセッション入りをしている南アフリカの通貨ランドも売られる可能性があるかもしれません。両通貨の実際の値動きは、下記の通りとなっています。(eワラント証券 投資情報室 チーフ・ストラテジスト 塚本 誠)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。