日本株は「安易に売りたくない時間帯」が続く?

 昨日(9月19日)の引け時点で、日経平均の25日移動平均乖離率が今年最高の4.5%となり、1月9日の4.3%を超えたが、1月9日とは、年明けの3日間で日経平均が1,085円、率にして4.8%も上昇した時であったことを考えると、今回の上昇ピッチの早さが分かる。

 この「25日移動平均乖離率」をして、やや過熱感を指摘する声も聞かれ始めたが、いわゆる、移動平均系のテクニカル指標は“ひと手間加えた分析”を施すと、いろいろなことが分かることが多い。 「25日移動平均乖離率」を用いた過熱感の判断基準に「3%乖離」が用いられるが、このこと自体は否定しない。
 このグラフは、それであれば、毎日、3%乖離となる水準を試算して、なだらかな線にするために、その5日移動平均値(A)をとり、現在の日経平均値(B)と比べてみたらどうなるかを表したものである。

 重要な部分は黒線で描かれた「ギャップ」であるが、これこそが、BがAに対して、どのようなレベルにいるかを示しており、具体的には((B/A)-1)×100)の数式で求められた値である(単位はパーセント)。

 通常、このギャップはゼロから水面下のマイナス5%の橙線で囲った部分にいることが多く、これを「法定速度」と考えると、このゾーンをさらに下回ったのちに底を打つことが、これまでも、相場の大きな底打ち場面で繰り返されてきたと言える。

 それでは、ゼロからプラス2%の緑線で囲った部分は何を言い表しているかというと、このゾーンにいる間は、例え天井を打っても、相場はまだ堅調な地合いを暫く継続してきたということを示している。

 この1年間でこのゾーンに上昇したのは3回あるが、初回は、昨年10月の16連騰前である9月28日から11月13日の31営業日滞在し、この間、日経平均は2万0,267円から2万2,380円に10.4%上昇している。

 2回目は今年1月4日から1月23日の13営業日(うち10日間がプラスの緑囲みゾーン)で、日経平均は2万2,764円から2万4,124円に6.0%上昇しており、3回目の今年4月18日から5月21日の21営業日(うち16日間でプラスの緑囲みゾーン)の際にも、日経平均は2万1,847円から2万3,002円に5.3%上昇している。

 今回、このゾーンに入ったのが連休明けの今週火曜日からであり、先週金曜日の日経平均の終値である2万3,094円を起点とすると、過去のパターンから(控えめに)5%を上昇率として適用すると、このゾーンを下回る頃の日経平均のメドとして、2万4,248円という数字が試算される。
 まだまだ、「安易に売りたくない時間帯」が続くと考えたほうが良いかもしれない。

(スプリングキャピタル株式会社 代表取締役社長 チーフ・アナリスト 井上 哲男)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。