日銀が強気から一転弱気に!?新年度入りして、予算枠重視の姿勢に変更か?暫くはマイナスの影響も

コロナ問題が長引き、中々相場が反転しませんが、先日eワラントジャーナルにて掲載させて頂きました「日本銀行がついに実力行使に!1日に2,000億円買うという最強のナンピン買いに打って出た!」のコラム内でも申し上げたように、明るい兆しも見えてきてはいました。

しかし・・・

昨日より新年度相場入りした株式市場ですが、衝撃の情報が伝わりました。

「前場引け時点で、前日比マイナス圏。従って今日も日銀がETFを2,000億円買ってくれるだろうから、相場は戻るかな?」と思っていたら、戻るどころか予想外の5%近い急落となりました。
個人的には、どうも腑に落ちない相場展開だったのですが、その理由が夕方分かりました。

日銀のETF買入金額の発表です。
なんと、3月末には1日あたり2,000億円ETFを買っていたものを、1,200億円の買入に減額していたのです。REITの買入も40億円から20億円に減額していました。

確かに、先日の緊急会合で決定した年間12兆円への買入枠増額までは、年間6兆円でしたから、1日当たり約700億円程度の買入金額でした。
つまりそれに比べれば、1,200億円買うわけですから、株式市場にとってはマイナスではないのですが、“減額した”という事実がマーケットには良くないと思っております。※1
日銀は「現行の水準を短期的な危機的水準とは捉えずに、ある意味、容認した」とも取られかねないということです。

言い換えるならば、「年間12兆円の予算枠がついたのだから、それに従って粛々と買入は続けます。しかし今の水準は断固として容認できないレベルではないので、予算枠を気にせずに積極的に買い支えることはしません。」と言っているようなものなのです。

果たしてこのスタンスで良いのでしょうか?

リーマンショック以来の危機的状況と言われる今だからこそ、日銀には予算枠に囚われることなく柔軟にETFの買いオペレーションを行う必要があるのではないでしょうか?

「日銀が弾数を意識し始めた」と取られることが一番まずいのです。
「弾が無くなれば、いつでも補充できるんだよ」と市場に意識させることが相場反転にとって非常に重要な要素となってくるでしょう。

日銀がこのスタンスを元に戻さない限り、暫くは相場のV字回復は望めないかもしれません。


(eワラント証券 マーケティング部ヴァイスプレジデント 吉野 真太郎)

※1  年間6兆円に対して、1日700億円のペースだと1年間に約86回の買いオペが出来るペース配分になります。これに対し、年間12兆円に対して、1日2,000億円のペースだと約60回のペースになり、かなり積極的なペース配分だと思っておりました。しかし今回減額した1日1,200億円だと年間100回のペース配分となり、ペース的には緊急会合以前よりもペースが落ちていることにもなります。

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。