暴落、暴騰の時に有効!オプションを買ったのに、お金がもらえるって本当?リスク・リバーサル戦略の解説(後編)

後編も読んでいただき有難うございます。

それでは、さっそくリスク・リバーサル戦略について解説していきましょう。
前編では、「現値よりも上下に等間隔だけ離れた、権利行使価格のボラティリティが違う」というお話をしました。

これを専門的な用語を使って言い換えるならば、デルタの絶対値が等しいOTM(アウトオブ・ザ・マネー)のプットとOTMのコールで、ボラティリティが異なっている、ということになります。

そしてボラティリティが異なるということは、同一デルタにもかかわらず、オプションの値段がプットとコールで違うということになります。

このポイントに着目して取引するのが、リスク・リバーサル戦略になります。

事例を使ってお話ししましょう。
下図をご覧ください。暴落相場の時に、ボラティリティ曲線のスキューが急上昇したようなケースです。

テキスト ボックス: ボラティリティ

Aのボラティリティで取引されているOTMプットを売却し、Bのボラティリティで取引されているOTMコールを購入したとします。

そうすると、一体どうなるでしょうか?
下図をご覧ください。

OTMコールに比べて割高なOTMプットを売却し、割安なOTMコールを購入した場合の図になります。
それらを合成したものが、リスク・リバーサル戦略(図中の赤線)になります。

どうでしょうか?
何か不思議なことに気付きませんか?
ポジションを作った時点で、利益になってますよね?

そうなんです。
これがリスク・リバーサルの最大の特徴なんです。
相場が暴落したことにより、割高になったプットオプションを売却したために、合わせてコールオプションを購入したにもかかわらず、合計の保険料が受取超過になるんです。

従って、暴落時に逆張り目線で、相場の反転に期待するならば、先物やCFDを購入するのではなく、リスク・リバーサルのポジションを組むのも一案でしょう。
ポジションを組んだ時点で利益を手に入れることができるわけですから、先物やCFDよりも勝っていると言えるかもしれません。

でも、これだと相場が市場の予想通りに続落した場合(OTMプットのボラティリティが上昇しているということは、市場全体の相場観としては、更なる下落方向に傾いていることになります)、損失となってしまいますよね?

実は、リスク・リバーサルという名前の由来は、「相場のセンチメントとは反対のリスクを取る(逆張り)」というところから来ているんです。
それ故、このままでは損失が拡大してしまうリスクも当然にあります。

そこで、リスクが高まっている方向に順張りで、先物などを被せる投資家もいます。

そうすると、損益はどうなるでしょうか?
下図をご覧ください。

リスク・リバーサルと先物の売りポジションを合成したものが、赤線になります。

この形、どこかで見たことありませんか?
プット・スプレッド戦略にそっくりですよね?

以前、eワラントジャーナルにて掲載させていただいた、損失限定ってポイントは良いんだけど、保険料がちょっと・・・、という方は必見ですよ!」の記事内でも説明させていただきました。
利益に上限を設けることにより、保険料を安くできる手法でしたよね?

でも、良く見てください。
利益と損失の割合が対称ではなく、 利益の割合の方が大きく なっています。
つまり損失額を少額に限定しておいて、利益をある程度大きく伸ばすことができるポジションに変わったことになります。
これも割高なプットを売却したことによる賜物なのです。

皆さんも、ボラティリティ曲線のスキューを意識した投資で、更に一段上の世界を体験してみては如何でしょうか?


(eワラント証券 マーケティング部ヴァイスプレジデント 吉野 真太郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。