東京オリンピックまで2カ月。関連銘柄は買い?それとも売り?

今年の1月に「ひょっとしたら、東京五輪が予定通り開催されるかも?今のうちに買っておくべき銘柄は!?」と題して、コラムを書かせていただきました。

それ以降は、狙い通り2月~3月にかけてコロナウィルスの流行が落ち着きを取り戻しはじめ、「これはひょっとして、東京五輪が行われるのでは?」という雰囲気になってきていました。
しかしここに来て、コロナウィルスの変異株の流行により、再び大都市圏に緊急事態宣言が発動される状況となっており、「本当にこのまま再来月に迫った五輪を決行できるのか?」という様相になってきております。
実際、先週末に各メディアが行った世論調査によりますと、約6割の国民が「五輪は中止すべきだ。」という意見を持っているようです。

そこで、今回改めて前回のコラム内容を振り返ると共に、足元の五輪関連銘柄のパフォーマンスを再検証し、果たして買うべきなのか、売るべきなのかを考えたいと思います。


オリンピック関連銘柄の選定

オリンピック関連銘柄を選定するにあたり、まずは以下の7つのカテゴリーに分けてみました。

  1. 観光・旅行
  2. アミューズメント
  3. 警備
  4. 広告・メディア・イベント
  5. スポーツ
  6. インフラ
  7. 建築・建設・不動産

但し、インフラと建築・建設・不動産に関しては、既に恩恵を享受済みであり、オリンピックを2カ月後に控えた今となっては、オリンピック関連銘柄とはいえないと判断し、前回同様、今回の検証からも除外することにします。

従って、上記1~5のカテゴリーに該当する関連銘柄をそれぞれ選び、各カテゴリー内で等ウェイトのバスケットを組成し、足元の株価の推移を検証することにします。

各カテゴリーに該当する銘柄は次の通りとします。

  1. 観光・旅行
    JR東日本【9020】,JR東海【9022】,日本航空【9201】,ANAホールディングス【9202】,エイチ・アイ・エス【9603】,藤田観光【9722】,KNT-CTホールディングス【9726】
  2. アミューズメント
    オリエンタルランド【4661】,任天堂【7974】,サンリオ【8136】
    ※前回のコラムでは、東京ドーム【9681】も対象としておりましたが、今年4月に上場廃止になったために、今回の検証作業からは除外しております。
  3. 警備
    総合警備保障【2331】,ディー・ディー・エス【3782】,ラック【3857】,ぴあ【4337】,トレンドマイクロ【4704】,JVCケンウッド【6632】,パナソニック【6752】,セコム【9735】
  4. 広告・メディア・イベント
    博報堂DYホールディングス【2433】,アミューズ【4301】,電通グループ【4324】,フジ・メディア・ホールディングス【4676】,Zホールディングス【4689】,ソニー【6758】,エイベックス【7860】,TBSホールディングス【9401】,日本テレビホールディングス【9404】,テレビ朝日ホールディングス【9409】,スカパーJSATホールディングス【9412】
  5. スポーツ
    ルネサンス【2378】,セントラルスポーツ【4801】,アシックス【7936】,ミズノ【8022】,ゴールドウイン【8111】,デサント【8114】,東祥【8920】,コナミホールディングス【9766】


コロナショック(20年1月)以降の各バスケットのパフォーマンスは?

下図をご覧ください。

これは、コロナショック直前の2020年1月から、コロナショックを経た2021年1月までの、各カテゴリーのバスケット価格の推移を表しています。緑色がTOPIXの値動きになります。(※再掲のためアミューズメントに東京ドーム【9681】を含む)

ご覧の通り、今年初めの段階ではTOPIXのパフォーマンスを上回っているカテゴリーは、アミューズメント関連の一つのみとなっており、他は軒並みTOPIXをアンダーパフォームしていました。

では、これ以降の値動きはどうなっているでしょうか?

上図は今年の1月15日時点(前回のコラム掲載時)から5月7日までの各バスケットとTOPIXの推移を標準化してプロットしたものになります。

この図から分かるように、冒頭申し上げた2月~3月にかけてコロナウィルス感染者数が落ち着きを取り戻していたために、オリンピック関連銘柄のパフォーマンスが急反発していました。特に、観光・旅行、スポーツ関連、広告・メディア・イベント関連にその動きが顕著に表れていました。

しかし、3月下旬あたりからパフォーマンスが再び悪化してきております。コロナウィルスの変異株の感染が国内で流行し始めたタイミングと重なっているかと思います。

株式市場は、一旦はオリンピック開催を織り込み始めていましたが、ここに来て再びオリンピック中止を懸念し始めているのかもしれません。


今後の展望は?

私見になりますが、開催予定日まで2カ月となった今、さすがに中止という大きな決断は出来かねると考えております。
それ故に、オリンピック関連銘柄は基本的には買いではないか?と考えております。

ただ、足元での関連銘柄のパフォーマンスは下がってきているとはいえ、まだ割安とまでは言えない水準かと思います。
従って、今後1カ月でコロナウィルスの感染状況が改善されない場合は、更に売り込まれる局面があるかもしれません。買い始めるのは、そのタイミングでも良いかもしれません。

中でも、私が特に注目したいのは、前回のコラムでも申し上げているように、スポーツ関連とメディア関連です。
海外からのオリンピックに絡んだ旅行客が見込めない今、観光・旅行関連は買いづらいでしょう。
一方、実際にオリンピックが開催されれば、国民は熱狂し、スポーツジムに通い始めたり、関連のスポーツグッズを買ったりする人たちもでてくることでしょう。また、実際にスタジアム等で見なくても、自宅で“巣ごもり消費”ならぬ“巣ごもり観戦”をしたいというニーズが増え、スカパーTVなどに特需が生まれるかもしれません。

いずれにせよ、開催か中止か?目を離せない展開が土壇場まで続きそうです。


(eワラント証券 吉野 真太郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。